選手、指導者 願い切実 長崎県高総体「何とかやってほしい」

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、インターハイの中止が決まった後も、高校生アスリートは県高総体に向けて努力を続けている。「厳しいかもしれないが、何とかやってほしい」-。選手、指導者からは開催を願う声が相次いだ。
 18年ぶりのインターハイを目指していた長崎商高女子ソフトボール部。出場予定だった春の全国選抜大会に続いて、目標の夏も中止になった。佐々木桃花主将は「今でも各自が家で練習している。このメンバーで戦える最後の大会だから県高総体だけでもしてほしい」。溝口弘一郎監督も「3年生が節目を迎えられないなんて想像がつかない。何かしらの形で県大会をやってあげられたら」と願った。
 春の全国高校選手権の団体出場権を獲得していた長崎南山高柔道部3年の坂上英慈選手は「チームでインターハイ4強」を目指してきた。自身最後の県高総体について「区切りの意味で大会があればいいなと思う。夏以降は受験を控えているので、延期はしないでほしい」と望んだ。
 1月の県新人大会を11年ぶりに制した佐世保南高男子バレーボール部。冬の全日本高校選手権(春高バレー)は残っているが、夏で引退する予定の3年生もいる。友松宏之監督は「部活動を完全燃焼できたら、大学受験に気持ちが向かえる。難しさもあるだろうが、ぜひやってもらいたい」と強い思いを口にした。
 昨年の県高総体で連覇を逃した西陵高男子ソフトテニス部は、新チームで臨んだ昨年10月の県新人大会も2位。本番での雪辱に向けて冬の県外遠征などで力をつけていた。4月に壱岐商高へ転任した山本健太前監督は「コートでいい表情を見せることで保護者らへ恩返しする舞台を何とかやってほしい」と求め、続けて「中止を早く決めた県もある中、ぎりぎりまで何とかやれないかと模索する長崎県の姿はいいなと思う。どんな結果になろうと、部活動に理解がある県だと子どもたちには伝えたい」と今回の判断を支持した。

 


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