業種超え団結 食事配達サービス「くじらたより」始動 東彼杵の「おいしい」をお届け

多様な知恵とスキルを持ち寄り、「くじらたより」をスタートさせる森さん(中央手前)ら=東彼杵町(撮影のためマスクを外しています)

 東彼東彼杵町内の飲食店の弁当や料理を配達するサービス「くじらたより」が1日から始動する。新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた飲食店を守るため、多様な業種の人たちが知恵とスキルを結集し、町の「おいしい」を届ける。
 町内計10店が、瀬戸郷の交流拠点「ソリッソ・リッソ」に弁当を納品し、「くじらたより」が地域や時間帯で仕分けして配達する仕組み。注文はファクスや無料通信アプリ「LINE(ライン)」で一括して受け付ける。
 中心となって動いたのはソリッソを運営する一般社団法人「東彼杵ひとこともの公社」の代表理事、森一峻さん(35)。本業のコンビニ経営のかたわら移住や開業の支援に取り組んできた。この5年で町内に飲食店や宿泊施設が増え、地域活性化を感じていた中でのコロナショック。飲食店をサポートするため、コンビニの移動販売のノウハウを生かせないかと考えた。
 町内の若手経営者らに呼び掛け、4月から準備を開始。デザイン事務所が各店の写真を撮って回り、みそ製造や新聞販売など配達のノウハウを持つ業者がルートを検討。道の駅は車両を提供し、タクシー会社は個人宅などへの案内役を買って出た。
 燃料費や事務費は東彼商工会が補助する。宿泊業など飲食店以外で困っている人に配達を頼み、配達料を受け取れるようにした。森さんは「逆境で地域の結束が強まった気がする。みんなで支え合い、地域を守りたい」と話した。
 当面は5月末まで運用する。注文は千円以上で前日の午後3時まで。別途配達料300円が必要。配達先は同町を中心に相談に応じる。問い合わせは(電080.1721.7008)。

 


© 株式会社長崎新聞社