九州商船 新上五島町を提訴、2760万円損賠求め

 競合する五島産業汽船(新上五島町)に新上五島町が違法な補助金を支出したため損害を受けたとして、九州商船(長崎市)が30日、同町に約2760万円の損害賠償などを求め、長崎地裁に提訴した。
 両社は長崎-上五島航路で競合。五島産業汽船は町所有の高速船「びっぐあーす」を借り受け運航している。5年に1回の定期検査費を捻出できる収益がなく、町は昨年12月の町議会定例会に定期検査費用1億7千万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を提出、可決された。
 訴状では「憲法の平等の原則に反する。今回の補助金は自力で存続できない会社を支援し不公平な過当競争を助長する」としている。九州商船の1人当たりの乗客単価と、五島産業汽船の昨年1カ月当たりの乗船者数から1カ月分の損害額を算定した。
 江上悦生町長は「訴状を見ていないのでコメントできない」と話した。

 


© 株式会社長崎新聞社