ヤリスに対し車高は60mmもアップ
新しいコンパクトSUV「トヨタ ヤリスクロス」は、ベースとなるコンパクトカーの「ヤリス」に対し全高が60mm高くなる。最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)も拡大されそうだ。ヤリスは2WDが145mm、4WDは160mmだが、ヤリスクロスでは175mm程度になる。
ヤリスクロスのプロトタイプが装着するタイヤは18インチ(215/50R18)だから、ヤリスの16インチ(185/55R16)に比べて大径になり、タイヤサイズの違いでも最低地上高が拡大するわけだ。悪路のデコボコ、駐車場と路面の段差などを乗り越える時でも、下まわりを擦りにくい。
TNGA GA-Bプラットフォームや主要メカニズムはヤリスと共通だ。次の項ではその詳細について解説しよう。
エンジンは1.5リッターガソリンとハイブリッドの2機種でFFと4WDを設定
エンジンは、ヤリスから搭載を開始した設計の新しい直列3気筒1.5リッターガソリンエンジンと、1.5リッター+ハイブリッドの2機種を用意する。
ヤリスでは従来から用意されていた1.0リッターエンジンも選べるが、ヤリスクロスには設定されない模様だ。
駆動方式はヤリスと同じく前輪駆動の2WDと4WDが用意される。ハイブリッドの4WDは、後輪をモーターで駆動するE-Fourだ。
エンジンなどの性能はヤリスと同等だが、SUV化やボディの拡大で、ヤリスクロスの車両重量は30~40kg重い。タイヤサイズの拡大と併せて、動力性能とカーブを曲がる時の軽快感は若干下がるだろう。その代わり乗り心地は重厚感を増す可能性もある。
このほか衝突被害軽減ブレーキや先進運転支援機能などは基本的にヤリスを踏襲する。
国内向けヤリスクロスの全高は1550mmを超える? 超えない!?
ヤリスクロスで気になるのはボディサイズだ。全幅が1765mmだから3ナンバー車になり、全高も1560mmと高めだ。
日本では今でも都市部を中心に存在する立体駐車場の場合、全高を1550mmに制限する施設が多く、使い勝手を左右する。
生産を終えたホンダ N-ONEや日産 ジュークには、通常モデルよりも全高を低く1550mm以下に抑えたモデルがラインナップされていた。ルーフ形状やサスペンション設定が異なる仕様で用意していたのだ。1550mmでないとならないユーザーの需要に応えた格好だ。
また最近では、トヨタ C-HRの2WD、マツダ CX-3やCX-30、スバル XV、レクサス UXのように、全高を1550mm以下に抑えたSUVも増えた。
この点を考えると、ヤリスクロスが日本国内で発売される際は、全高を1550mm以下に抑える可能性もある。
※スペックはトヨタ社内測定値