塊感ある造形の凝ったデザインにウナる
トヨタから2020年秋に発売される予定の新型ヤリスクロスの内外装デザインが早くも公開された。
外観の印象は、欧州のコンパクトSUVに近い。シトロエン一族のDSオートモビル DS3クロスバック、プジョー 2008、あるいはボルボ XC40などに通じる、塊感の強いボディ形状だ。
またフェンダー付近はレクサスUXにも似ており、今日的なSUVの形状を巧みに取り込んだ。
ボディサイズはヤリスに比べてかなり大きい
プロトタイプのボディサイズは、全長が4180mm、全幅は1765mm、全高は1560mm(アンテナを除く)。
ヤリスに比べると240mm長く、70mmワイドで、60mmほど背が高い。全幅が1700mmを超えるために3ナンバー車になる。
ヤリスクロスのホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2560mmで、ヤリスに比べて10mm長いが、ホイールベースを意図的に10mmだけ伸ばすことは考えにくい。これは日欧の計測規格の違いからくるものだろう。
ちなみに欧州で発表された際の新型ヤリス(ベース車)に関するトヨタの記述は、ホイールベースを50mm拡大するとしている。従来型のホイールベースは海外仕様で2510mmだから、50mm伸びればヤリスも2560mmという計算になる。
前後席の間隔はヤリス同等だが、室内の広さは全然違う!?
この点から考えると、前後席に座る乗員同士の間隔はヤリスと同じだろう。足元空間は依然として窮屈になりそうだが、全高は約60mm高くルーフ形状も変わるから、頭上空間は拡大する可能性がある。
また、室内高の余裕を生かして後席の着座位置まで高めると、足元空間がヤリスと同じでも、後席の腰が落ち込む着座姿勢はある程度改善される。今のヤリスは後席が窮屈だから4名乗車に不向きだが、ヤリスクロスなら対応できるかも知れない。
着座位置を上げ、背もたれの角度を少し起すだけで、後席に座った印象はヤリスに比べ随分と異なるはずだ。
後席に座る乗員の開放感もヤリスとは変わる。頭上空間の拡大に加えて、リヤサイドウィンドウの面積も広がるからだ。
ヤリスの後席左右のウィンドウは上下左右とも寸法が足りないが、ヤリスクロスは上下幅は狭いものの前後方向は十分に確保する。
荷室空間もヤリスよりずいぶんと広くなりそう
全長が240mm伸びることにも注目したい。ホイールベースは基本的に同じだから、ボディが前後に張り出したオーバーハングが拡大する。その結果、荷室の奥行寸法(長さ)も少し広がるのだ。
以上のようにヤリスクロスは、SUVらしく後席の快適性と荷室の使い勝手を向上させる。ヤリスの実用性に不満を感じたユーザーは、ヤリスクロスをチェックすると良いだろう。
※スペックはトヨタ社内測定値