山形県初の「新型コロナウイルス」関連破たん 小野川温泉でおみやげ屋を営む(株)つたや物産が破産申請へ、木製独楽やこけしなど木地玩具の製作で知名度を有していた

 (株)つたや物産(TSR企業コード:210154110、法人番号:4390001009980、米沢市小野川町2458、設立1974(昭和49)年4月、資本金3000万円、蔦幹夫社長)は5月11日、事業を停止し、山形地裁への破産申請を羽生田智弁護士(羽生田法律事務所、同市春日1-2-29、電話0238-49-7301)に一任した。
 負債総額は約1億5000万円。

 1924年に小野川温泉で「みやげのつたや」を創業。二代目が木地玩具の製作を開始し、木製独楽の生産では一時日本一となったほか、こけしでは全日本こけしコンクールで受賞歴があるなど、木地玩具分野では相応の知名度を有していた。
 1999年には木地玩具と土産品の販売拠点として観光物産会館「独楽の里つたや」を開設し、2000年2月期には売上高約1億7000万円を計上。しかし、その後は小野川温泉の集客力が落ち込み、2010年頃には「独楽の里つたや」を閉鎖し、2011年2月期には売上高が1億円を下回った。
 その後、細々と土産品販売店を営んできたが、「独楽の里つたや」への初期投資の残債が重荷となるなか、「新型コロナウイルス」感染拡大に伴い4月25日より休業し、経営が一層悪化。先行きの見通しが立たないことから、今回の措置となった。

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