「新型コロナウイルス」関連倒産状況 【5月19日17:00 現在】

 5月19日17時現在、「新型コロナ」関連の経営破たんは全国で166件(倒産109件、弁護士一任・準備中57件)に達した。青森県・大分県で初の経営破たんが発生、42都道府県に広がった。空白は福井県、和歌山県、鳥取県、高知県、長崎県の5県。
 新型コロナ関連の経営破たんは、2月2件、3月23件から、4月は84件に急増。5月も増勢が続き、19日は1日で10件判明し、4月21日に並ぶ1日の判明件数では最多タイとなった。5月は19日までに57件発生しており、月間100件に迫るペースで推移している。

 都道府県別では、東京都が35件(倒産31件、準備中4件)と突出。以下、北海道16件(同14件、同2件)、大阪府13件(同6件、同7件)、静岡県9件、兵庫県8件、新潟県と福岡県が各6件。
 業種別では、インバウンド消失に加え、国内旅行や出張の自粛でキャンセルが相次いだ宿泊業が31件(同20件、同11件)で最多。次いで、緊急事態宣言で来店客の減少や臨時休業、時短営業が響いた飲食業が26件(同14件、同12件)、上場会社で初の関連倒産となったレナウンを含むアパレル関連が21件(同12件、同9件)で、上位に並ぶ。また、小・中学校の休校やイベント中止などの影響を受けた食品製造業も、19日までに13件発生している。
 経営破たんした企業は、人手不足や消費増税(2019年10月)などで経営が疲弊していたところに、新型コロナ感染拡大で資金繰りに行き詰まるケースが目立つ。
 倒産集計の対象外だが、資金繰りに行き詰まった負債1,000万円未満の小・零細企業の倒産、また、新たな借入をせず事業継続を諦め、休廃業を決断した企業は増えているとみられる。
  5月14日に緊急事態宣言が39県で解除され、残る都道府県でも外出自粛や休業要請など段階的な緩和が検討され始めている。だが、売上が立たず、各種支援策も遅れた企業の資金繰りは限界に近づいている。こうした企業の事業継続には、融資や返済猶予など即効性のある支援が急がれる。非常時の支援策だけに、まずは平時と異なる配慮と支援が必要になっている。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものを集計している。

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5月19日 経営破たんが青森県と大分県で新たに発生、累計は166件に

 新型コロナ関連の経営破たんは5月に入っても増勢を持続し、19日は17時までに10件判明した。これで5月に入り57件を数え、2月から5月19日までの累計は166件に達した。
 19日の主な倒産事例:埼玉県上尾市や北本市で「けんちゃんバス」の愛称で知られる路線バス会社の丸建自動車(株)(埼玉県)は、新型コロナ感染拡大で観光バスや貸切バス、路線バスの需要が急減。私的整理を検討したが、資金繰りが限界に達し、5月15日に民事再生法の適用を申請した。バス運行などの事業は継続している。

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