コロナ集団感染のクルーズ船 あす長崎出港

コスタ・アトランチカ

 新型コロナウイルスの集団感染が発生したクルーズ船コスタ・アトランチカの運航会社「コスタクルーズ」と県は29日、同船が31日午前11時に停泊中の三菱重工業長崎造船所香焼工場(長崎市)を離岸し、フィリピン・マニラに向けて出港することを明らかにした。
 県は29日、新たに外国籍の30代男性乗組員が発熱などで市内の指定医療機関に入院したと発表。入院者は陽性2人を含めた5人となった。31日の出港までに退院できない場合、治療が終わり次第、帰国する見通し。また、30日は外国籍の乗組員3人が下船し、定期便で帰国の途に就く予定という。医療支援に当たっている災害派遣医療チーム(DMAT)は船の出港後に撤収する。
 会見で中田勝己福祉保健部長は「無事に出国できるようにしっかりと支援する。まだ入院中の人もいるので、引き続き県としても対応したい」と述べた。コスタ社はホームページで「多大なるご支援を頂いた関係省庁、県、市、長崎大学病院をはじめとする医療機関の皆さまに大変感謝を申し上げる」とのコメントを出した。
 同船は1月末、長崎に寄港。4月20日に最初の感染者が確認され、乗組員623人のうち計149人の陽性が判明した。乗組員の帰国は5月3日から開始。29日までに計478人が帰国した。船内には陰性が確認された19カ国144人が残っている。

 


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