「市民の理解が進んでいない」と始めたけれど・・・ 横浜市のIR説明会、コロナ理由に「動画」へ切り替えを検討

横浜市の林文子市長

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を巡り、横浜市の林文子市長は3日の定例会見で、新型コロナウイルスの感染拡大で延期している市民説明会に代わり、自身の説明を動画にして配信することを検討していると明らかにした。質問は想定される内容を用意し、市長が答えるという。

 国は現在、感染拡大防止の観点から、100人以下かつ収容人数の半数以内の定員で屋内イベントを開催するよう基準を示している。これに対し、市は感染症の収束が見通せず、全ての参加希望に応えられないため、会場に市民を集めるという従来の方法を続けるのは困難と判断した。

 ただ、説明会は「市民の理解が進んでいない」(市長)との理由から、市長自らが全18区を回るとし、会場で受け付けた質問にも答える形式で行われていただけに、双方向性がない動画という手法には市民からの反発も予想される。

 市によると、動画での説明は基本、これまで12区で開かれた説明会での内容と同じ。質疑応答では、想定される質問に、市長が回答する形を取る。今後、1カ月をめどに配信する予定で、インターネット環境が整っていない市民らのため、DVDの貸し出しなども検討している。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、市は2月20日、昨年12月から始めた説明会を当面、延期すると発表。都筑、青葉、戸塚、泉、栄、瀬谷の6区が未開催となっている。

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