MLB機構が選手会に新たな案を提示 76試合制でのシーズン開催

ESPNのジェフ・パッサンによると、メジャーリーグ機構は2020年シーズンの開催についてメジャーリーグ選手会に新たな案を提示したようだ。今回の案は76試合制でのシーズン開催となっており、選手たちはこれまでに機構が提示した案よりも多くのサラリーを受け取れる可能性があるという。しかし、確実に保証されるサラリーは以前の案よりも減少しており、選手会が今回の案を受け入れる可能性は低いと見られている。

今回の案では、76試合制でシーズンを開催し、選手には日割り給与の最大75%を支払うという仕組みになっている。選手会は最大で約14億3200万ドル(約1547億3400万円)を得ることができ、このうち9億8900万ドルが保証され、残りの4億4300万ドルはポストシーズンが無事に開催された場合に支払われるという。

機構は新型コロナウイルスの第2波を警戒し、9月末までにレギュラーシーズン、10月までにポストシーズンを終了させたい意向。しかし、選手会は11月までプレーしてできるだけ多くの試合を消化したい意向を示していた。

また、今回の案では機構の裁量によってポストシーズン出場枠を各リーグ8チーム(合計16チーム)に拡大することができ、「ハイリスク」と認定された選手については今季プレーせずにサラリーとサービスタイムを得ることができるという。

さらに、フリーエージェントとなる選手が移籍先を見つけやすいように、クオリファイング・オファー対象選手獲得に伴うドラフト指名権の喪失をなくし、クオリファイング・オファー対象選手が流出した球団に補償指名権を与えるのみにすることも盛り込まれている。

選手会専務理事のトニー・クラークがESPNに語ったところによると、クラークは選手たちが対案を取りまとめるのを待っている状況。当初希望していた114試合制を実現するのは難しく、また、選手会もそれを理解しており、次の案には114試合制は含まれないという。100%の日割り給与を求める方針は変わらないようだ。

関係者によると、機構は選手会に水曜日(日本時間の木曜日)までに対案を提示することを求めている。当初報じられていた独立記念日(7月4日)のシーズン開幕は絶望的な状況となっており、「日割り給与を100%保証して50試合前後で開催するのが最も現実的」との声も上がっているが、シーズン開幕に向けて両者は前進することができるのだろうか。

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