【高校野球】最大のライバルを倒す―報徳学園エース・坂口が切り替えた“無敗”という目標

報徳学園・坂口翔颯【写真:橋本健吾】

身長178センチ、82キロから美しい投球フォームで最速142キロと多彩な変化球を誇る

Full-Countでは高校最後の夏を完全燃焼し、次のステージを見据える選手を応援する企画「#このままじゃ終われない」をお届けする。球児たちは“最後の舞台”に向け練習を再開。前を向く姿を、後押ししたい。1回目はしなやかなフォームで潜在能力の高さを感じさせる報徳学園のエース・坂口翔颯投手だ。

名門・報徳学園のエースナンバーを背負う。身長178センチ、82キロから美しい投球フォームで最速142キロを誇り、カーブ、カットボール、ツーシーム、フォークなど多彩な変化球を操る本格派右腕だ。昨秋の兵庫県大会では決勝戦でドラフト上位候補の明石商・中森俊介投手に投げ勝ち、9回1失点完投でチームを優勝に導いた。

近畿大会では初戦で天理(奈良3位)に敗れ、選抜出場を逃し、最後の夏にかける思いは人一倍だったが、全国の舞台に立つ挑戦権はなくなった。

追い打ちをかけるように全体練習も一時中断。6月4日から練習再開となったが、それまでは自宅でのトレーニングがメイン。だが、報徳学園の大角監督は「何も心配いらないぐらいチーム全体としても動きが良かった。過去のチームを見ても本当によくやっているし、凄い奴らだなと思う」と目を細めている。

最大のライバルはドラフト上位候補の中森、来田を擁する明石商

練習再開後に入ったブルペンでは伸びのある直球は健在。投げ込み不足は否めないがその分、不安のあった右肘は完全に回復した。兵庫県は代替試合を行うことが決定し、昨秋の新チーム結成から県内公式戦9連勝中と無敗の“秋の王者”が見据える先は優勝だ。

「もう一回、熱くなれる場を設けてもらった。兵庫県無敗という目標を達成したい。これまで実戦がないというのを言い訳にはしたくない。他の高校も一緒なので」

中森だけでなく、ドラフト上位候補の来田涼斗外野手を擁する明石商との再戦を心待ちにしている。坂口自身はすでに大学進学する方針を決めているが、4年後のプロ入りを目指しトレーニングを続ける。背番号「1」のプライドを胸にしながらも、挑戦者の気持ちでぶつかる覚悟だ。

「正直、秋の明石商は全然100(パーセント)の力を出してなかったと思う。そこに勝っても兵庫1位とは言えない。他にも強い高校はありますが、夏は本当の意味で兵庫ナンバーワンになって締めくくりたい」

【動画】美しい投球フォームで多彩な球を操る 中森に勝った男、報徳学園・坂口のブルペン映像

#このままじゃ終われない 球児の皆さんへ #フルカウント は未来へ向かう気持ちを少しでも後押ししたいと思います。プレーや声、思いが一人でも多くの方の目に留まるようにしたい。紹介する1回目のプレーヤーは #報徳学園 #坂口翔颯 投手。ドラフト候補の #明石商 #中森俊介 投手に投げ勝った男です。 pic.twitter.com/1xtiIfgDB8

— Full-Count (@Fullcountc2) June 9, 2020

【動画】美しい投球フォームで多彩な球を操る 中森に勝った男、報徳学園・坂口のブルペン映像

signature

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

© 株式会社Creative2