デスパ&グラ不在でも恐ろし過ぎ? 2番柳田&3番バレの大胆オーダーを推す根拠

ソフトバンクのウラディミール・バレンティン、柳田悠岐、松田宣浩(左から)【写真:藤浦一都】

2番柳田、3番バレンティンで挑んだ12日の広島戦はいきなり初回に2点先制

12日の広島との練習試合でお披露目されたソフトバンク工藤公康監督の超積極的打線。2番に柳田悠岐外野手、3番にウラディミール・バレンティン外野手とチームの強打者2人を2、3番に並べる大胆なオーダーだった。

【12日の打順】
1(右)上林
2(中)柳田
3(指)バレンティン
4(左)長谷川
5(三)松田宣
6(一)栗原
7(捕)甲斐
8(二)牧原
9(遊)周東
投手 東浜

この打線がいきなり機能する。先頭の上林は倒れたが、2番の柳田が右中間を破る二塁打で出塁。バレンティンが左前安打で繋ぐと、4番に入った長谷川、そして5番の松田宣が連続タイムリーを放った。相手は広島の開幕投手と務める大瀬良。その立ち上がりを打ち崩して2点を先制した。

さらに3回には柳田が片手一本で左中間ホームランテラス席へと運ぶ驚愕のソロ本塁打。3試合連発、練習試合10試合で6本目となる本塁打でリードを広げた。柳田、バレンティンは休養のために2打席で交代。4回までの短い間ではあったが、その打線の破壊力を十分に感じさせるものだった。

工藤監督は試合後、この積極オーダーを開幕戦でも採用する可能性について「なくはないと思います。実際にこれで点が取れているわけなので、それも選択肢の1つかなと思います」と含みを持たせた。果たして、この打線を指揮官は今後も採用するのか。一個人としては、是が非にでもこのオーダーをシーズン中も採用してもらいたい。

2番に強打者を置くのは日米球界でトレンドにもなっている

指揮官は「初回の攻撃というのは投手の立ち上がりでまだ安定していないときにしっかり打って崩すというのは大事だと思っている。調子の良いバッターを初回にしっかり打席に立てるようにするのも1つの方法」と、上位に柳田、バレンティンを並べるオーダーのメリットについてこう語る。投手の立ち上がりに次々と強打者が襲いかかり、エンジンがかかる前に攻略する。それが可能になる。

2番に強打者を置くのはMLBではトレンドで、NPBでも巨人の坂本勇人やヤクルトの山田哲人、DeNAのオースティンなど増えてきている。打順は1つ下がるごとに年間で15打席ほど減っていくとされる。セイバーメトリクスの観点で言っても、上位打線に強打者を並べることは理に適っている。

この日はノーヒットだったものの、1番に起用した上林が好調であることも2番柳田、3番バレンティンの怖さに拍車をかける。そして1死で柳田が出塁するのと、2死から出塁するのでは得点期待値も大きく違う。そして期待感も半端ではない。おそらく、多くのソフトバンクファンがこの日のオーダーを支持するのではないだろか

そして、恐るべきは、まだソフトバンクにはデスパイネ、グラシアルというキューバ人助っ人2人がいないということ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、まだ来日できていない2人。この2人が加わった際には、このオーダーはさらに破壊力を増すことになる。あくまでも想定されるオーダーを組むと、例えば、以下のような並びが想定される。

【パターン1】
1(右)上林
2(中)柳田
3(左)バレンティン
4(二)グラシアル
5(指)デスパイネ
6(三)松田宣
7(一)栗原
8(捕)甲斐
9(遊)今宮

【パターン2】
1(右)上林
2(二)グラシアル
3(中)柳田
4(左)バレンティン
5(指)デスパイネ
6(三)松田宣
7(一)栗原
8(捕)甲斐
9(遊)今宮

まさに相手にとって恐ろしい並びと言えるだろう。工藤監督がこの日採用した“超積極的打線”。開幕戦も、そしてシーズン中の基本オーダーとしても、採用してもらいたい並びだと言えるのではないだろうか。(Full-Count編集部)

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