【高校野球】文武両道を実現する世界最古の公立学校 和気閑谷(岡山)の「思い出の選手名鑑」

創学350年・世界最古の公立学校、岡山県立和気閑谷高校野球部【写真提供:岡山県立和気閑谷高等学校】

第3回は創学350年の岡山・和気閑谷(わけしずたに)、浮田監督「最高の形で締め括らせてやりたい」

仲間と過ごした時間と流した汗と涙は一生の宝物。いつかまた、この写真と思いを見て、振り返り、前に進む活力になってほしい。Full-Countが今年で引退する高校3年生たちに企画「思い出の選手名鑑」を贈ります。第3回は岡山県立和気閑谷高等学校。

◇氏名(よみ) 位置 投・打 身長(センチ) 体重(キロ)
アピールポイント(自薦他薦問わず) 3年間頑張ってきたこと

長野太千(ながの たいち) 主将 遊撃 右・右 181 75

投手にただ声を掛けるだけでなく、近寄って投手の気持ちを楽にしています。打撃では長打力を活かして1点だけでなく、大量得点を狙います。

この3年間、守備を頑張りました。守備では投手が苦しんでいる時に助けられるような守備を目指しています。安定感のある守備をして、投手が安心して打たせられる守備を大会では見せたいと思います。

日野樹希亜(ひの じゅきあ) 副将 三塁 右・左 173 66

私は腕が長いので、左バッターボックスからその長さを活かした外角の捌き方を見てほしいです。低い鋭い弾道で、内野の頭を抜いていく打撃に注目してください。

投手から見て、投げづらいと思われる打者になることを目指しました。コースによって左右に打ち分けられるようバットコントロールの練習を積み重ねました。

石原親(いしはら ちかし) 投手 右・左 160 70

オーラ、存在感の強さは、スター性に溢れています。50メートル走6.7秒の俊足と強肩、そして抜群の打撃センスを併せ持っています。ソフトバンクの松田選手のような元気なプレーを見てもらいたいです。

私は高校野球に足を踏み入れる時、ホームランを打つことを目標にしました。1年時、2年時にはなかなか結果が出ず、挫折することも多々ありました。しかし、周囲の支えもあって練習に励むことができました。最後の夏に目標であるホームランを打ちたいと思っています。

正富舶斗(まさとみ はくと)捕手 右・右 180 70

捕手として盗塁阻止率の高さが自慢です。試合では投手が楽になるように、常に走者を意識してアウトにしています。試合においても練習においても雰囲気が悪くならないように気を配っていますし、悪くなったとしてもそれを変える声掛けを心掛けています。また、足に自信があるので積極的な走塁に注目してもらいたいです。

私は主将や副主将でもありませんが、役職関係なくチームのことを常に考えています。自分のことは後回しにして、主将のサポートができるようにこの最後の1年は考えました。また、生徒会にも所属するなど、学校の中心にもなり、生徒の見本となれるような行動も心掛けました。

中川竜斗(なかがわ りゅうと) 二塁 右・右 159 49

身体は小さいですが、守備には自信があります。コミュニケーション力も3年間を通じて身につき、チームみんなの様子を見て発する言葉も選んでいます。試合中も相手の心理やチームメートの気持ちも並行して考えながら、試合に勝つプレーをしています。

自分が頑張ってきたことは、人間関係の構築に関してです。野球を通じてたくさんの友達を作りたかったので、人の気持ちを考えて行動することを常に心掛けました。コミュニケーションの取り方を人に応じて工夫してきたおかげで、今のチームメートとも仲良くなれました。

世界最古の公立学校のモットーは「最も古い学校に最も新しい学びがある」

藤原歩夢(ふじわら あゆむ) 外野 右・右 158 56

自分のアピールポイントは努力を続けることです。努力を続けることでいい結果が出ると思い、日々頑張っています。身長が低くても何か1つ努力を続ければ、試合でもいい結果が出ると信じてやっています。残り少ないですが、レギュラーで出られるように頑張っていきたいと思います。

自分が3年間頑張ってきたことは、掃除と練習です。掃除を頑張ることで学校は綺麗になり、野球にもいい結果が出ると思っています。野球部の練習においても身長の低さをカバーできるように、自分にしかできない技術を得られるように努力を積み重ねました。

松山修真(まつやま しゅうま) 外野 右・右 165 68

自分の長所は外野からの送球の精度です。守備範囲は広くありませんが、捕れる範囲は確実に捕球し、送球はワンバウンドで正確な送球をするところです。

3年間頑張ってきたことは学校生活との両立です。野球だけではなく、生徒会、評議員などをして広い視野を手に入れることができたと思います。

安本香厘(やすもと かりん) マネージャー

新型コロナウイルスの影響で部活動がなかった時も大半が自主練習をしていました。3年生部員全員が仲が良く、休校期間中も連絡を取り合い、励まし合いました。他学年も面白い人がたくさんいて、毎日がとても楽しいです。しかし、行動のスピードだけはマネージャーが一番早いという女性が大活躍している野球部です(笑)。

選手が練習をしやすいように素早く行動することを心掛けています。しかし、選手自身ができることは自分たちでやらせるなど甘やかさないようにしています。選手に嫌われることは覚悟して、ダメなことはダメと注意もしています。マネージャーとしての自覚を常に意識していた3年間でした。

有元雅妃(ありもと みやび) マネージャー

チーム内はみんな仲が良く、いいところは褒め合うことができますし、悪いところは指摘し合え、先輩後輩関係なく技術などを教え合える素晴らしいチームです。チーム一丸となり、成長することもできます。部活動が休みの日も学年関係なく自主練習をしています。こうしたことでチームのレベルアップができたと思います。

選手から見えないところでもサポートすることに注力しました。ボール縫いやスコアの集計など家でもできることを探しました。また、週末の練習などは選手よりも朝早くグラウンドに行き、選手が使用する全ての箇所を掃除したり、試合前の準備など自ら次の行動を考えて行動しました。部活動の時間以外でも選手のことを一番に考え、選手がどうしたら練習しやすいかなどできる限りのことを考えました。

磯野桃歌(いその ももか) マネージャー

チームのアピールポイントは、一人ひとりの個性が豊かに溢れているところです。全学年分け隔てなく、仲良くみんなで支え合い教え合えることは素晴らしいことだと思います。ムードメーカーや頼りになる人、自分の意見をしっかり主張できる人など様々な個性を持った人がいますが、うまくチーム内で噛み合っていい化学反応を起こしています。みんなが明るく楽しくプレーできる部に携われて本当に幸せでした。

3年間頑張ったことは、常に先のことを考えて行動すること、そして選手が練習をしやすい環境を作ることでした。マネージャーは水分補給の用意やスコアブック付け、アイシングの準備だけでなく、次の練習に必要なもの、次の日のことなどを考えて行動することを心掛けました。選手のことを一番に考えて過ごしたこの3年間はかけがえのない宝物です。

◇監督・浮田圭一郎

本校は1670年に岡山藩主・池田光政によって庶民のために創建された「閑谷学校」を源流とする世界最古の公立学校です。創学350年という大きな節目を迎える今年は、野球部としても偉大な先人たちを超える好成績を残したいと考えています。

「最も古い学校に最も新しい学びがある」をモットーに伝統を継承しながら、新しい試みにも挑んでいます。生徒は1人1台iPadが配付され、この新型コロナウイルスの影響による休校期間中もオンライン授業で学びを進めました。また、野球部としても自主練習の様子を動画で部員全員が共有し、指導者がコメントを加えるという遠隔指導でチームの一体感を保つことができました。3年生にとっては非常に辛い年となりましたが、歴史をつないでいくという目標に向かって頑張っています。彼らにとって集大成となるこの夏の県大会を最高の形で締め括らせてやりたいと思います。

○…夏の甲子園、日本高野連の地方大会の中止を受け、高校球児、マネージャー、そして指導者、保護者の皆様らに形に残るものをご提案したく、企画「思い出の選手名鑑 by Full-Count」として、3年生の部員の集合写真、プロフィール、メッセージなどを掲載していきます。「自分たちが記事になった」とこの2年半の活動に胸を張って、次のステップへ進んでいけるよう、応援していきます。皆の思い、記事にします。(Full-Count編集部)

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