移動許可後に陽性判明 関西空港検疫所 長崎県が改善求める

 佐世保市に停泊していた貨物船の交代要員として入国した中国籍船員16人について、新型コロナウイルスのPCR検査の結果が判明する前に、関西空港検疫所(大阪府)が同市への移動を許可していたことが17日、長崎県などへの取材で分かった。移動途中に1人の陽性が判明。県は厚生労働省に対し、水際対策の改善を求める文書をメールで送ったという。
 同検疫所によると、16人は9日昼ごろからPCR検査を受けた後、チャーターバスで同市へ移動。途中で1人の陽性が判明したため、本県の医療機関での受け入れを求めた。連絡を受けた本県が難色を示したため、陽性者は本県入りする前に途中下車して引き返し、県外の医療機関が受け入れた。他の船員15人は11日に同市に到着。12日に佐世保港から出港した。
 厚労省は制限対象地域からの入国者に対し、原則として検査結果が判明するまで検疫所などで待機を求める一方で、無症状の場合は公共交通を使わずに自宅への移動、待機を認めている。検疫所は取材に対し「チャーターバスは一般の人に接触しないので公共交通に当たらない。船は自宅と同じという判断をした」と説明した。

 


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