五島市議会 10円売却の追認可決 不動産鑑定168万円の農業施設

 五島市議会経済土木委員会は17日、市が昨年4月に不動産鑑定評価額168万円の市有農業施設を10円で民間売却したことについて、追認を求める議案を賛成多数で可決した。
 この施設は老朽化のため市が民間譲渡を決め、市有財産評価委員会は耐用年数を超えているとして10円と評価。市は10円で市内の農業法人に売却した。一方で住民監査請求に基づく監査で、市監査委員は不動産鑑定士が査定した168万円を適正な価格と判断。市長に対し今年5月、差額の167万9990円を市に支払うか、10円売却の追認議決を得るよう勧告した。
 経済土木委員会で市は、▽民間売却により修繕費や解体費など市の「将来的な負担」が軽減される▽減額して売れば農業法人による施設改修が進み、生産性向上や農業振興につながる-などと10円売却の理由を説明。議案に賛成の委員は市の説明に理解を示しつつ、市有財産評価の在り方を見直す必要性を指摘。反対委員は「譲渡自体は問題ないが、より高く売れる可能性があったのではないか」などと述べた。

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