国交省、分散型社会など新型コロナと国土計画を議論

国土交通省は6月19日、国土審議会計画推進部会の「国土の長期展望専門委員会」の第6回会合を開催。新型コロナウイルス感染拡大が国土や社会に及ぼす影響について話し合われた。テレワーク普及による住まいの変化や地方移住、分散型社会などが論点として取り上げられた。

会議ではテレワークについて3月時点での全国平均利用率は10%だが、東京都は21%、神奈川県16%、千葉県14%、埼玉県13%と首都圏で高い。リクルート住まいカンパニーによる調査では、コロナ禍終息後もテレワークを続ける場合、住み替えの条件としてのトップは「今より部屋数の多い家に住み替えたい」で40%だった。

5月29日付の内閣府「経済財政諮問会議」資料では20代のUターン・Iターン希望は4月24日~5月1日の調査で、2月と比較して14.3ポイント増の36.1%。理由の回答では都会で働くリスクや、テレワークで場所を選ばずに仕事ができることが分かったことなどが挙がった。

2015年に策定の国の第二次国土形成計画(全国計画)では、地方のあり方で「コンパクト+ネットワーク」が挙げられている。コンパクトシティ化を進め、そうなった各都市を情報や交通、エネルギーのネットワークでつなぐもの。出席した委員からは「東京の一極集中を改めるべき」「ドイツのような多極化を進めた方がレジリエントな社会につながる」といった意見が出された他、国と地方の関係についても議論が行われた。

国交省では今夏から今秋をめどに2050年までをめどとした国土における課題設定を行い、2021年の夏から秋ごろに課題解決の方策を示していく方針としている。

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