選手会が60試合制への投票を延期 新型コロナの影響

複数の球団のトレーニング施設で新型コロナウイルス感染者が発生したことを受け、メジャーリーグ選手会は、日本時間6月21日に予定していたメジャーリーグ機構からの最新の提案(シーズン60試合制)を受け入れるか否かの投票を数日間延期することを決定した。この日、選手会は代表者会議を開催して投票の延期を決定。ESPNのジェシー・ロジャースによると、投票は1~2日ほど延期される見通しだという。

選手5名、スタッフ3名が新型コロナウイルスに陽性反応を示したフィリーズなど、複数の球団から感染者が出たことが明らかになり、メジャーリーグ機構は全球団のトレーニング施設を一時的に閉鎖することを決定。現時点では7月19日(現地時間)のシーズン開幕が想定されているが、今回の事態によりスプリング・トレーニングの再開が遅れれば、シーズン開幕は7月下旬以降にずれ込む可能性もある。

100%の日割り給与を保証したうえでシーズン60試合制を提案しているメジャーリーグ機構に対し、選手会は対案としてシーズン70試合制を要望したが、機構側はさらなる対案を提示しないことを明言。60試合より多くの試合を行う意思がないことを選手会に通告した。選手会には2つの選択肢があり、1つは機構側の提案を受け入れること。もう1つは機構側の提案を拒否し、3月下旬時点での合意に基づいてロブ・マンフレッド・コミッショナーの裁量によりシーズンのスケジュールを決定させることだが、こちらの場合は選手会が異議申し立てを行う可能性も残される。

延長戦を無死2塁からスタートするタイブレーク制の導入や、延長戦限定で途中交代した選手の再出場を許可するなど、今年限定で選手の負担を軽減するために新たなルールを導入することが検討されていることも報じられている。多くの野球ファンが待つ2020年シーズンは、いつ、どこで、どのような形で開幕を迎えることになるのだろうか。

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