F1カレンダー変更により、ドライバーごとのタイヤ選択制は廃止。全員に同じ内訳で支給

 2020年F1シーズンには、ドライバーごとにグランプリに持ち込むタイヤコンパウンドの内訳を決めることはできず、全員に同じ本数のハード、ミディアム、ソフトタイヤが支給されることになった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、カレンダーが大幅に変更されたための措置だ。

 通常は1グランプリ1台あたり13セットのタイヤのうち、義務付けられたもの以外の10セットのハード、ミディアム、ソフトの内訳をチームが決めることができた。しかし5カ月半で行われることになるだろう今シーズンには作業を簡略化するため、この規則は廃止され、ハードタイヤ2セット、ミディアムタイヤ3セット、ソフトタイヤ8セットが全ドライバーに支給されることが決まった。

 また通常、チームには、ヨーロッパ内のレースでは9週、フライアウェイ戦については15週より前に、グランプリに持ち込むタイヤの種類が通知される決まりになっていたが、特別な事情がない限り「グランプリの2週間以上前」に締め切りが延長された。

 現在のF1ドライタイヤは、C1からC5の5種類(C1が最もハード、C5が最もソフト)に分かれており、各グランプリごとに3種類が選ばれ、その3種類がホワイト・ハード、イエロー・ミディアム、レッド・ソフトとして扱われる。ピレリはすでに序盤8戦のグランプリに持ち込む3種類のタイヤコンパウンドを発表済みだ。

2020年F1第1戦から第8戦で使用されるタイヤコンパウンド

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