子どもの貧困相談して 県が専用窓口「つなぐながさき」新設

YELLながさき内に併設された総合相談窓口=長崎市川口町

 長崎県は29日、子どもの貧困に関する総合相談窓口「つなぐながさき」を新設した。従来、生活相談や子どもと家庭に関する個別の相談窓口は各福祉事務所などにあったが、新たに専用窓口を開設することで当事者の悩みや課題を広く吸い上げ、行政支援や問題解決につなげていきたい考え。
 県は2018年、県内の子どもとその保護者計約1万9千人を対象に「子どもの生活に関する実態調査」を実施。調査結果によると、所得が低い世帯の7割以上が「生活に不安やイライラを感じる」と回答。約2割が相談相手がいないことや、就学援助費といった行政支援を知らない世帯が一定数あるなどの実情が浮かび上がった。
 県こども家庭課によると、子どもの貧困に特化した専用窓口を新設することで受け皿を明確にし、行政や福祉事務所などが行っている支援制度の利用を促すなど、スムーズに各機関へつなげていきたいという。
 窓口は、長崎市川口町の県ひとり親家庭等自立促進センター(YELLながさき、山本倫子センター長)内に併設。山本センター長は「悩みを気軽に相談してもらい、解決に向けて各機関へつなぐお手伝いができれば」と話した。
 貧困や家庭内暴力などの悩みを抱える人の妊娠に対応する「県にんしんSOS相談窓口」も開設。それぞれ電話番号は「つなぐながさき」(電095.801.2442)、「県にんしんSOS相談窓口」(電095.801.2443)。月曜~金曜の午前10時~午後6時。面談、メールでの相談も可能。7月上旬からLINE(ライン)でも受け付ける予定。

© 株式会社長崎新聞社