「被爆講話」8月再開 長崎平和推進協会 予約好調、学びの場に明るい兆し

 長崎平和推進協会継承部会は1日、修学旅行生向けの「被爆体験講話」を8月に再開することを正式に決めた。被爆75年の今年は新型コロナウイルスの影響で被爆地長崎を訪れる修学旅行の中止、延期が相次いだが、同部会が被爆者を派遣する講話は8月以降、予約が回復。長崎国際観光コンベンション協会の「長崎平和ガイド」も本年度下半期は予約が好調で、いずれも明るい兆しを見せている。関係者は「コロナの状況で流動的な面はあるが、対策を万全にして平和の大切さを伝えていく」としている。
 同部会は同日の総会で、再開に当たっては事前検温の実施やマスク着用、座席の間隔を空けることなど感染防止対策を確認した。6月15日現在、8~10月の予約は216件入っており、昨年同期実績より増えている。同協会の高比良則安事務局長は「被爆者の声を一人でも多くの子どもに聞いてもらいたい」と話した。
 一方、修学旅行生に被爆遺構などを案内し、平和学習をサポートする「長崎平和ガイド」。長崎国際観光コンベンション協会によると、7月1日現在、昨年度上半期(4~9月)の実績221校・計約1万7千人に対し、本年度上半期は予約を含め96校・計約7300人にとどまるが、春に予定していた分が秋以降に延期される形で下半期(10月~来年3月)の予約は既に384校・計約3万2400人。昨年度下半期実績の231校・計約1万7300人から大幅に増え、年間総数も本年度は予約を含め、現時点で昨年度を約5500人上回っている。

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