救援陣に漂う「黄金期」の気配…3連勝の中日に専門家が感じる強竜復活の可能性

©株式会社Creative2

野口寿浩氏も注目する中日・福敬登【写真:荒川祐史】

野口寿浩氏が語る好調の要因「リリーフが自信をつけて投げている」

中日は2日、ナゴヤドームでの阪神戦に4-2で勝ち、同一カード3連勝とした。今季初の3連勝で勝率5割に復帰。先発したドラフト3位ルーキーの岡野祐一郎投手が5イニングを3安打2失点(自責1)にまとめてプロ初勝利を飾った。6回からは4投手による盤石リレー。2連投だった守護神の岡田俊哉投手を温存する層の厚さも見せた。

「リリーフが自信をつけて投げていますね」。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手としてプレーし、2018年までヤクルトで2年間、バッテリコーチを務めた野球解説者の野口寿浩氏は接戦をモノにした一因に救援陣の充実を挙げる。1点を争う展開で6回からは新助っ人のルイス・ゴンサレス投手、福敬登投手、祖父江大輔投手、ライデル・マルティネス投手の4人が1イニングずつ抑え、ルーキーに初白星をプレゼントした。

野口氏は中でも5年目左腕の福の成長に注目する。「真っすぐがいい。打者の手元でのキレが良さそうに見えますし、打ちづらそうにしている。相乗効果で変化球も効果的になってくる」と強調。故障で一時は育成契約になりながらも、昨季52試合に登板した背番号34に対し「いい左のセットアッパーができたなという感じがします」とうなずいた。

7年連続Bクラスと低迷する中日。近年はリードしながら終盤に逆転される展開も少なくなかったが、この日は初回に奪ったリードを最後まで守りきった。安定した試合運びに、野口氏が例えとして挙げたのが、落合博満監督のもと2004年から8年連続Aクラス入りを果たした「黄金期」の姿だ。

野口氏が注目するアルモンテ「ビシエドより怖かったくらい」

8回を浅尾拓也、9回を岩瀬仁紀という鉄壁の救援陣を敵の阪神、横浜の選手として見ており「あの時のすごさに比べたらまだ全然たどりついてはいないと思いますが、ちょっとあの時のにおいというか、思い出す感じはあるかもしれません」と語った。

一方の打線は、初回に4番ダヤン・ビシエド内野手の3ランで先制し、8回に代打・井領雅貴外野手のタイムリーでダメを押した理想的な展開。主将の5番・高橋周平内野手ら中軸は相変わらず快音を続けており、開幕から不調に苦しんできた平田良介外野手もこの日は先制につながる右翼線二塁打を放つなど本来の姿を取り戻しつつある。「みんな振れている。あとは誰が走者を還すか。課題は打点だけ」と野口氏は言う。

さらに、開幕が3カ月遅れたことで調整が間に合ったソイロ・アルモンテ外野手の存在が大きいといい「私がヤクルトでコーチをしている時、ビシエドよりむしろアルモンテの方が怖かったくらいです。何をやってくるか分からないし、理解不能。あくまでいい意味でですが、気持ち悪かった」とも。ベストメンバーの揃った打線に、今のところ大きな不安は見当たらない。

勢いがつくこの3連勝は、すべて先発投手に勝ち星がついた。3日からは敵地・東京ドームに乗り込んで巨人との3連戦。開幕投手を務めながらここまで2戦勝ち星のない大野雄大投手が先陣を切る。「あとは大野に数字(1勝)がつけば、先発陣も落ち着いて回っていくと思います」と野口氏。投げ合う相手は菅野智之投手で、厳しい戦いになることは予想されるが、エースの白星が実現すれば躍進のピースが揃うかもしれない。(小西亮 / Ryo Konishi)