FIA-F2第1戦オーストリア レース2:ルーキーのドルゴヴィッチが初優勝。松下信治は6位で2レース連続入賞

 7月5日(日)、2020年FIA-F2第1戦オーストリアのスプリントレース(決勝レース2)が開催され、ルーキーのフェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)が初優勝。日本の松下信治(MPモータースポーツ)は6位、角田裕毅(カーリン)は11位、佐藤万璃音(トライデント)は17位だった。

 スプリントレースの規定周回数は28周、ピットインの義務はなし。レッドブル・リンクのコンディションは昨日に引き続き晴れ。気温は23.4℃、路面温度40.4℃のドライコンディションだ。

 グリッドは前日のフィーチャーレースの順位が反映され、上位8台がリバースグリッドとなる。そのためポールスタートはフィーチャーレースで8位だったフェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)、以下2番手にルイ・デレトラズ(チャロウズ・レーシング・システム)、3番手にジュリアーノ・アレジ(BWT HWAレースラボ)、4番手にダニエル・ティクトゥム(ダムス)。

 日本の3人は、松下が9番手、角田が18番手、佐藤が21番手から、それぞれ上位を入賞を誓う。

FIA-F2第1戦オーストリア レース2 スタートシーン

 ほぼ全車がハードタイヤを選択し、日本時間の18:10、レースがスタートした。

 ドルゴヴィッチが素晴らしい蹴り出しを見せて後方を引き離しにかかる。後方からはフィーチャーレースで表彰台を獲得した7番手スタートのマーカス・アームストロング(ARTグランプリ)が3番手までジャンプアップ。

 そのまま2周目に差し掛かったところでアレジが突如スローダウン、後方に脱落してしまい、いきなり勝負権を失ってしまう。さらにエンジンから火を噴いたためSC(セーフティーカー)が導入された。

 昨日のレースでは電気系のトラブルでリタイアするマシンが続出し、マシンの信頼性に懸念の声が上がっていた。今回はエンジントラブルと連日に渡り全チームが不安を覚えるレースとなる。

 そんな矢先、5周目からレース再開と見られたが、なんとショーン・ゲラエル(ダムス)もマシンをストップしSCがもう1周延長となってしまった。

 そして6周目に晴れてレースはリスタート。ドルゴヴィッチを先頭にデレトラズ、アームストロング、ティクトゥムと続いていく。

 8周目、後方を走っていたユアン・ダルバラ(カーリン)がルカ・ギオット(ハイテックGP)に追突。スピンしこのままリタイアに。またマシン回収のため2回目のSCが導入された。

 この間、上位勢の変動はなくドルゴヴィッチを先頭に11周目、レースは再開。各マシンはスムーズに1コーナーを通過していくが、後方のアーテム・マルケロフ(BWT HWAレースラボ)がダルバラのリヤタイヤにフロントウィングを引っ掛けウィングを破損。修復のためピットに戻ったマルケロフはレースから離脱することに。

 14周目、またも悲劇が襲う。非常に快調なペースで走行していた3番手のアームストロングがホームストレート上でスローダウン。マシンを1コーナー先のコース上に止めてしまったため3度目のSCとなった。

 レースは17周目に3度目のリスタート。ドルゴヴィッチを先頭に、デレトラズ、ティクトゥム、ロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)の順に1コーナーをクリアしていく。

 22周をすぎてドルゴヴィッチが後方から1.260秒のリード築き、2番手デレトラズから5番手のクリスチャン・ルンガー(ARTグランプリ)はそれぞれ0.7秒前後の間隔を維持しながら、レースは終盤へ向かっていく。

 レースは前半とは打って変わり平穏なまま最終ラップへ突入。ドルゴヴィッチがこのまま逃げ切り初優勝を決める。2位にはデレトラズ、3位のティクトゥムは初の表彰台となった。

 日本勢は松下が6位に入り2レース連続の入賞。角田は最後に意地を見せ11位でフィニッシュ。佐藤は17位でレースを終えている。

ミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)の猛攻を凌ぎきった松下信治(MPモータースポーツ)
角田裕毅(カーリン)

 次戦シュピールベルク(オーストリア)は日本時間7月10日(金)〜7月12日(日)に行われる。

■FIA-F2第1戦オーストリア スプリントレース(レース2) リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap Start Pos.

1 15 F.ドルゴヴィッチ MPモータースポーツ 28Laps 1

2 11 L.デレトラズ チャロウズ・レーシング・システム 2.469 2

3 2 D.ティクトゥム ダムス 2.790 4

4 21 R.シュワルツマン プレマ・レーシング 3.330 6

5 6 C.ルンガー ARTグランプリ 5.396 5

6 14 松下信治 MPモータースポーツ 9.177 9

7 20 M.シューマッハー プレマ・レーシング 9.741 11

8 9 J.エイトケン カンポス・レーシング 14.041 15

9 4 C.アイロット ユニ・ヴィルトゥオーシ 14.272 8

10 24 N.マゼピン ハイテックGP 15.395 14

11 7 角田裕毅 カーリン 17.528 18

12 22 R.ニッサニー トライデント 18.471 10

13 12 P.ピケ チャロウズ・レーシング・システム 19.118 13

14 3 周冠宇 ユニ・ヴィルトゥオーシ 19.668 17

15 10 G.サマイア カンポス・レーシング 22.082 16

16 8 J.ダルバラ カーリン 24.290 12

17 23 佐藤万璃音 トライデント 24.909 21

18 16 A.マルケロフ BWT HWAレースラボ 1Lap 19

— 5 M.アームストロング ARTグランプリ DNF 7

— 25 L.ギオット ハイテックGP DNF 22

— 1 S.ゲラエル ダムス DNF 20

— 17 G.アレジ BWT HWAレースラボ DNF 3

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