自然や命テーマに 県内の30代女性作家5人展始まる 県美術館

イラストや漫画を展示している石丸さん(左)と紙芝居や立体を出品した菅原さん=長崎市、県美術館

 自然や生き物、命をテーマに制作している長崎県内の30代女性作家の5人展「Border of Noah(ボーダー・オブ・ノア)」が7日、長崎市出島町の県美術館運河ギャラリーで始まった。イラストや色鉛筆画、彫刻など約80点が並んでいる。入場無料。12日まで。
 5人は▽東彼川棚町のイラストレーター、石丸穂澄さん▽東彼東彼杵町の色鉛筆画家、松島理恵子さん▽佐世保市黒髪町の色鉛筆画家、和田沙織さん▽長崎市野母崎樺島町の美術家、山本春菜さん、菅原真希さん-。命や平和をテーマに県内でイベントを企画している同市の音楽家、シマカワコウヂさん(43)の呼び掛けで開いた。
 石丸さんは、県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダムの水没予定地、川原(こうばる)地区に在住。生息するアユ、ゲンジボタル、トノサマガエルなどのイラスト、素朴な生活を描いた漫画などを展示している。
 松島さんは心象風景をテーマにした幻想的な抽象画、和田さんは野鳥や草花を緻密に表現した絵など。山本さんは動物の彫刻や魚のイラスト、菅原さんは平和や原爆をテーマにした紙芝居、野母崎の海岸の漂着物を使った立体作品などを飾っている。
 菅原さんは「自然や地域を守りたいという思いが込められた作品ばかり」。シマカワさんは「5人の生き方が作品に詰まっている」と話した。
 最終日の12日午後3時から、即興演奏やダンスなどのライブがある。

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