先日行われた、バルセロナとユヴェントスの大型トレード。補強ポイントを外れた取引は、論争の的となっている。
ということで、今回は今季異例の移籍を果たした5人の選手を紹介したい。
ノリート(セルタ)
今季はセビージャで公式戦24試合に出場していたノリート。ところが、移籍期間外の先月に突然セルタへ移籍した。
これはバルセロナも今季行った、長期離脱者の代役を移籍期間外でも国内から獲得できるリーガ独自のルールに則った取引であり、セルタの控えGK、アルバレスの負傷に伴ったものであった。
ただ、ほぼ出番がなかったGKの代わりに即戦力級のFWを獲得したことは、明らかに残留争いへ向けた戦力補強であり、ルールの抜け穴を突いたやり方が物議を醸している。
ナビル・フェキル(ベティス)
フェキルはリヨンで育成されたアタッカーだ。昨夏に多くのビッグクラブがその才能に注目する中、移籍したのはリーガの中堅クラブ、ベティスであった。
それも当時の自身の市場価値の3分の1ほどというバーゲン価格でだ。トッテナムがベティスでプレーしていたロ・チェルソを望んでいたこともあり、三角トレードのような形となったことが、この電撃移籍を実現させたと見られている。
スペインでも良いプレーを続けていることから、引き続き関心を集めている選手だ。
ネト(バルセロナ)
昨夏に実質的なシレッセンとのトレードで、バレンシアからバルセロナへ加入したネト。退団を望んでいたネトに、出場機会を求めたシレッセンと、選手双方のメリットが噛み合った移籍となった。
とはいえ、バルセロナ側からすれば、特に必要のない取引であり、お互いの移籍金が不自然に高めなことなど、意図の見えにくいものであった。
これに関しては、先日のアルトゥールとピャニッチの取引と同様に、FFP対策も兼ねて手早く会計上で利潤を生むためのトレード、という見方が強い。
ダニーロ(ユヴェントス)
昨夏シティからユヴェントスへ移籍したダニーロ。同じ右サイドバックであるジョアン・カンセロとの実質的なトレードという形であった。
シティでそこまで活躍していたとは言えないダニーロが、当時の市場価値のおよそ2倍の価格で売却されたことは、傍から見れば疑問であった。
こちらに関しても、その実は資金捻出を主な目的として行われた取引と見られている。近年増えつつあるこのトレードだが、ウイルスによる経済打撃も相まって、今後はより主流になることが予測されている。
ジョアン・フェリックス(ベンフィカ)
このポルトガルの神童は、昨夏に1億ユーロを優に超える巨額の移籍金でアトレティコに加入した。
活躍していたとはいえ、当時の市場価値を大きく上回る価格であり、インパクトを与えた。昨今、ここまで高額ではないものの、こうした青田買いを行うクラブは多い。
インフレが進むサッカー界では、若い才能には実績をそこまで考慮せずに大金を積む傾向が増えてきたのだ。このケースは、経験ではなく将来性に投資する、という新たな時代の到来を象徴する移籍であった。