県高校女子ソフト交流大会 長崎商が優勝 県高総体代替大会

【Aパート決勝、向陽-長崎商】長崎商1回裏2死、佐々木が三塁への内野安打で出塁する=とぎつ海と緑の運動公園

 ソフトボールの長崎県高校女子交流大会最終日は12日、西彼時津町のとぎつ海と緑の運動公園で決勝トーナメントが行われ、Aパート決勝は長崎商が向陽を4-0で下して優勝した。Bパート決勝は壱岐商が壱岐に7-3で逆転勝ちした。
 県ソフトボール協会、県高体連、県教委主催。コロナ禍を受けて中止となった県高総体の代替大会として開催された。
 8校が参加。初日の予選リーグ上位がAパート、下位がBパートで競った。全試合終了後、各校の3年生が集まって記念撮影もした。

 出るはずだった春の全国選抜大会が中止になった。気持ちを切り替えて目指した夏のインターハイや県高総体もなくなった。失意の中で開催が決まった今大会。長崎商は「絶対に勝って終わろう」と一つになった。雨上がりのグラウンドで、その強い思いを体現した。
 決勝トーナメント1回戦。初回に長崎女の島田に先制ソロを浴びたが、三回に小島の適時打で追いついた。互いに譲らず、七回からは無死二塁制のタイブレークへ。1点リードを許しても、手堅い攻めで追いつき、最後は押し出し四球でサヨナラ勝ちした。
 決勝の向陽戦は初回から打線が爆発した。口火を切ったのは主将の佐々木。2死無走者から「1点目を取る」と三塁への内野安打で出塁。清水、山崎が連打でつなぐと、三本間で挟まれながら好走塁で敵失を誘って先制のホームを踏んだ。続く小川も適時打を放ち、一挙3点を先行した。
 三回も佐々木が二塁打でチャンスをつくり、山崎の適時打で1点を加えた。大量援護をもらった2年生右腕川瀬は、打たせて取る投球で完封。軽快に打球をさばいた遊撃佐々木、邪飛を好捕した三塁野田らバックが、鍛えてきた堅守で支えた。
 優勝を決めた選手たちは健闘をたたえ合うように笑って、抱き合って涙を流した。溝口監督は「緊張感のある中でやれて良かった。記録には残らないけど、記憶に残る大会になった」と目を細めた。指揮官の言葉が、すべてを物語っていた。


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