県陸上選手権 男子三段跳び・廣田(長崎日大高)大会新V

【男子三段跳び決勝】2回目に15メートル52をマークする廣田(長崎日大高)=トランスコスモススタジアム長崎

 陸上の県選手権第1、2日は17、18日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で男女計34種目と女子七種競技の前半が行われ、男子三段跳びは廣田麟太郎(長崎日大高)が大会新となる15メートル52でV2を飾った。

 男子三段跳びの廣田(長崎日大高)が、十分に高校日本一を狙える強さを披露した。4回目まですべて大会記録の15メートル44を上回り、優勝記録は自己ベストを20センチ更新する15メートル52。意識の高い3年生は「15メートル70~90くらい跳べる感覚だったのに、助走の詰めが甘い」と自らに厳しかったが、佐伯監督は「アベレージが高くなり、ワンランク上がっている」と手応えを口にした。
 2年生だった昨年は夏のインターハイ3位、秋の国体2位。今年は頂点しか見ていなかったが、コロナ禍で両大会とも中止になった。当然、落胆もしたが、懸命に気持ちを切り替え、秋に新設された「全国高校大会2020」などに照準を合わせて取り組んできた。
 12日に臨んだ今季初戦の県高校選手権は不完全燃焼に終わったが、全国のライバルたちを想像して「これじゃ足をすくわれる」と奮起。5日間で立て直し、この日はしっかりと地力を発揮した。
 今回の県選手権の大会記録ホルダーは、今や日本の第一人者となった山本凌雅(JAL、諫早農高出身)だった。跳躍界のホープが目指しているのは、憧れの先輩が持つ日本高校記録の16メートル10。会場で廣田の跳躍を見た山本は「跳べそうなオーラがあって強い。それだけの自信が見える」と将来のライバルを歓迎するように評価した。
 身長180センチ。身体能力の高さに加え、力強さや助走スピードも上がってきた。前例のないシーズンを過ごして「精神面も成長している」(佐伯監督)。大きな目標に向かって、廣田はこの夏、もう一回り強くなる。

 


© 株式会社長崎新聞社