みなとメディカル感染4人 長崎県内46人に 五島でも2人初確認

診療再開への見通しなどを説明する片峰理事長(左)と門田院長=長崎市役所

 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した長崎みなとメディカルセンター(長崎市)と長崎市は20日、新たにセンターの入院患者と職員計4人の感染を確認したと発表した。センターの感染者は計12人となった。関係者によると、五島市で70代の男女計2人の感染も確認され、県が21日に発表する。五島市での感染判明は初めて。県内では累計46人となった。
 長崎みなとメディカルセンターで新たに確認されたのは、入院患者が年齢非公表の男性と80代女性、職員が50代女性と20代女性のいずれも医療職。男性患者は中等症、他は軽症か無症状。医療職の2人は徒歩通勤だった。
 4人ともセンターの11病棟のうちクラスターが発生した1病棟にいた。12日の検査で陰性だったが、男性患者が19日に38度台の熱が出て男性の陽性を確認。20日にかけこの病棟に関わる職員・患者計106人を再検査し、3人の陽性も判明した。潜伏期間を経て発症したとみられる。
 センターは感染拡大を防ぐため、この病棟の医師12人と看護師47人を順次自宅待機とする。患者が23人いるため、長崎大学病院に医師派遣を要請し、看護師については他の病棟から融通する。
 門田淳一院長と、センターを運営する市立病院機構の片峰茂理事長らが市役所で記者会見。門田氏は「市民に不安を与えおわびする」と陳謝した。片峰氏はクラスターが1病棟に限られているため、ほぼ全面休止中の診療を最短で29日から段階的に再開する方針は「変わらない」とした。
 一方、市は17日に感染を確認した20代女性会社員の濃厚接触者ら10人のうち、検査中の2人は陰性だったと発表した。この結果、女性の濃厚接触者の1人で、18日に感染を確認した別の会社に勤める20代女性会社員を除いて9人が陰性と判明した。


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