ボーア&サンズ復調、広島とDeNAは苦戦 開幕1か月の12球団助っ人事情は?【セ編】

巨人のヘラルド・パーラ(左)と阪神のジャスティン・ボーア【写真:荒川祐史】

巨人パーラ、ヤクルトエスコバーのメジャーリーガーは活躍

新型コロナウイルスの感染拡大により、3か月遅れで開幕を迎えたプロ野球。7月10日からは上限を設けた上で、ファンをスタンドに入れる有観客開催も再開された。開幕から約1か月が経過し、セ・リーグは巨人、パ・リーグは楽天が首位に立っている。

開幕から1か月を経過し、各球団が25試合前後を消化した。外国人枠が5人に増やされ、戦略にも幅が広がる今季。好調なチーム、波に乗れないチームと様々ではあるが、ここでは各球団の外国人の働きぶりに注目。開幕から1か月が経過した現在の働きを診断してみたい。(成績は19日終了時点のもの)

【巨人】
デラロサ 6試合0勝0敗4S1H 1.80
サンチェス 5試合3勝2敗0S0H 2.67
メルセデス 4試合1勝2敗0S0H 3.80
ビエイラ 4試合0勝0敗0S1H 4.15
パーラ 73打数24安打3本塁打11打点 .329 出.380
ウィーラー 31打数8安打1本塁打4打点 .258 出.324

セ・リーグの首位に立つ巨人だが、助っ人には明暗が分かれている。サンチェスは先発ローテを担ってここまで3勝、パーラも打率.329、3本塁打と上々の結果を残している。一方でデラロサは脇腹の故障で離脱、ビエイラも課題とされていた制球難が解消されず。トレードで加入したウィーラーはそのひたむきなプレーと明るいキャラクターでチームの雰囲気を作る働きも見せている。

【ヤクルト】
イノーア 4試合0勝1敗0S0H 7.88
マクガフ 13試合2勝0敗0S6H 5.56
スアレス 3試合2勝0敗0S0H 0.53
エスコバー 78打数26安打1本塁打13打点 .333 出.402

2位につけるヤクルトではエスコバーの活躍が光る。守備に定評のあった元メジャーリーガーだが、打撃面でも貢献。ここまで打率.333をマークし、出塁率は4割を超える。6月は低空飛行が続いたが、7月は打率4割超えとなっている。一方で投手陣は苦しい。先発のイノーアは4試合に投げて未勝利、防御率は7点台。中継ぎのマクガフも13試合に投げて防御率は5.56だ。スアレスは先発で2勝、防御率0.53と好投していたが、7月9日に登録抹消となっている。

阪神のボーアは19打席目の初安打以降は打率3割台後半をマーク

【阪神】
エドワーズ 1試合0勝0敗0S0H 0.00
ガンケル 1試合0勝1敗0S0H 6.75
スアレス 11試合0勝0敗4S3H 2.53
ガルシア 4試合0勝2敗0S0H 4.98
マルテ 45打数13安打2本塁打5打点 .289 出.353
ボーア 79打数22安打5本塁打13打点 .278 出.333
サンズ 52打数14安打2本塁打10打点 .269 出.367

一時の最下位から順位を3位まで浮上させた阪神。マルテは故障離脱となってしまったが、開幕直後は苦戦を強いられていたボーアとサンズの調子が上向き。ボーアは初安打が出た19打席目以降は打率.367と結果を残し、サンズは3人の中でトップの出塁率を残す。投手陣ではエドワーズが離脱、ガンケルも期待に応えられていないが、スアレスが藤川に替わる守護神として活躍している。

【DeNA】
ピープルズ 2試合0勝0敗0S0H 4.91
パットン 13試合2勝1敗0S4H 5.54
エスコバー 9試合0勝1敗0S2H 3.38
ロペス 83打数18安打2本塁打9打点 .217 出.241
オースティン 55打数18安打3本塁打13打点 .327 出.403
ソト 93打数31安打7本塁打19打点 .333 出.441

波に乗り切れずに4位につけるDeNA。助っ人たちの働きは今ひとつと言えそうだ。2年連続本塁打王のソトこそ打率.333、7本塁打とさすがの働きを見せているが、ロペスが.217と不振。期待されたオースティンは怪我で登録抹消となった。投手陣でもピープルズ、パットンはイマイチ。エスコバーも防御率3.38と不安定な成績となっている。

中日のアリエル・マルティネス【写真:荒川祐史】

広島はK・ジョンソン、スコット、メヒアと調子が上がらず…

【広島】
K・ジョンソン 4試合0勝3敗0S0H 5.73
DJ・ジョンソン 5試合0勝0敗0S0H 1.80
スコット 6試合0勝2敗0S0H 22.50
フランスア 10試合0勝1敗0S1H 6.23
ピレラ 101打数26安打3本塁打8打点 .257 出.286
メヒア 52打数11安打2本塁打3打点 .212 出.268

ここまで5位に沈んでいる広島だが、その要因の1つには外国人の不振が挙げられるだろう。先発ローテの柱として期待されるはずのK・ジョンソンは1勝も出来ずに登録を抹消。開幕当初、守護神を任されたスコットは炎上続きでこちらも登録を抹消された。フランスアも防御率6点台だ。ピレラも出塁率2割台では物足りず、ここ最近はスタメンから外れる試合も。メヒアもファームに降格となっている。

【中日】
ゴンサレス 9試合0勝0敗0S3H 2.70
R・マルティネス 10試合1勝0敗2S5H 0.90
アルモンテ 37打数9安打1本塁打5打点 .243 出.317
A・マルティネス 33打数13安打1本塁打8打点 .394 出.444
ビシエド 104打数34安打9本塁打24打点 .327 出.373

最下位に沈む中日だが、助っ人たちは奮闘している。中継ぎのゴンサレスは3ホールドをマークし、R・マルティネスは岡田に代わるクローザーに。育成から支配下に昇格したA・マルティネスも4割近い打率を残し、ビシエドも貫禄の働きを見せている。アルモンテが故障で離脱したものの、助っ人たちは上々の働きを見せていると言えるのではないか。(Full-Count編集部)

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