【プレミアリーグ】“クロップ・エボリューション” 名将がリバプールにもたらした変化〜後編〜

ユルゲン・クロップ監督は、リバプール到着からチームの課題を一つ一つ着実に解決していき、タイトルを獲れるチームに進化させた。攻撃面を改善させたクロップ監督が次に施したのは、のちに世界最高と称されるディフェンスラインだった。

【プレミアリーグ 】“クロップ・エボリューション” 名将がリバプールにもたらした変化〜前編〜

ファン・ダイクの加入で堅牢な守備に
中盤やサイドバックの問題が整理されていく中で、センターバックへの負担は依然として懸念されていた。そこでリバプールは、2018年1月に当時DF史上最高額7500万ポンド(約109億円)でフィルジル・ファン・ダイクを獲得。同時期にフィリッペ・コウチーニョを放出したが、大成功の補強だったとすぐに証明した。加入した最初の14試合で7回のクリーンシートを達成。さらに20試合で10失点に抑え、それまでの20試合25失点を大きく上回る堅牢な守備を披露した。

栄光への最後の一歩
2017-18シーズン、リバプールはどのチームよりも若いスタメンを擁していた。さらに同シーズンでは最も多くのラインナップの変更を行い、大きな進化に向け基盤を作っていた。そして今シーズン初め、クロップ監督は練習場メルウッドで相手が何をしようとも対処できるチームに進化したと説明。ファビーニョやナビ・ケイタの加入で中盤に柔軟性が生まれ、カウンタープレス一辺倒でないスカッドを形成した。

進化したチームの完成
強力なチームが出来上がり、今シーズンのリバプールはプレミアリーグ開幕27試合で26戦無敗を記録。ファン・ダイクとジョー・ゴメスが高いラインを位置し相手を圧迫する事で、様々な戦術への対応力と支配力を手に入れ、最高のチームが完成した。ヘビーメタルで始まった曲が、今では甘いシンフォニーに。5年で中堅クラブをトップチームに引き上げた“クロップ・エボリューション”は、これからも進化を続けていく。

5年で世界最高のチームに引き上げた“クロップ・エボリューション”

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