長崎県・中村知事「危機的な状況」 コロナ感染拡大地域への訪問控えて

 中村法道知事は31日、長崎県内の新型コロナウイルス感染者が7月だけで同日午後5時現在、54人確認されており、医療体制の逼迫(ひっぱく)につながる恐れがあるとして「危機的な状況にある」と述べた。独自の緊急事態宣言は「発する段階にはない」としつつ、今後の状況次第で発令もあり得るとの認識を示した。

 県対策本部会議を開き感染拡大防止対策を議論し会見した。中村知事は54人の感染者について、18のグループに大別され、うち9グループ(15人)は県外への移動や県外の人との接触から感染が発生していると説明。東京や福岡など感染拡大が続く地域への不要不急の訪問は控えるよう呼び掛けた。
 一方、7グループ(16人)については感染経路が不明で「県内にも感染リスクが存在すると認識している」と強調。2グループ(23人)は飲食店での会食などから感染が拡大しているとして、利用する店が感染防止対策を講じているか確認し、自らも大声を出さないなど行動を見直すよう訴えた。業種別ガイドラインの徹底を求め、飲食業者などに換気機能のある空調設備などの整備を追加で支援する考えも示した。
 大学生など若い世代の感染も多いと指摘し「自分だけではなく、他人に感染させてしまう恐れがあることを十分に自覚して慎重な行動を」と要請。大学生や高校生に、クルーズ船の集団感染で活用された健康管理アプリの導入を呼び掛けていくとした。

 


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