惨状 オンラインで解説 原爆写真展11日まで 追悼平和祈念館

長崎に原爆が投下された翌日の1945年8月10日に撮影された写真について解説する松田部会長=長崎市平和会館

 長崎平和推進協会写真資料調査部会(松田斉部会長)は2日、長崎市平野町の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館で開催中の原爆写真展について、オンラインで解説した。
 新型コロナウイルス感染症の影響で、恒例の写真展の実施方法を再検討。鑑賞者同士が近づき過ぎないよう大型のパノラマ写真計7点を展示し、オンラインでの解説を取り入れた。
 長崎のほか東京、広島、神戸などから事前に申し込みをした7人が聴講。部会員5人が同町の市平和会館から中継し、モニターに映し出した写真の撮影場所や当時の状況を松田部会長が解説した。原爆が投下された翌日の惨状を撮影した旧陸軍カメラマンの故山端庸介氏の写真については「くすぶった炎で、画面全体が煙でかすんでいる。家族や親族を捜しに来た人の姿も見える」と説明した。
 聴講を終え参加者は「胸に迫るものがあった」「いつか長崎の原爆遺構を見に行きたい」などと感想を伝えた。松田部会長は「今後もベストなやり方を研究し、コロナ収束後もこうした取り組みを続けたい」と述べた。祈念館での写真展は11日まで。無料。

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