『SGT × GTS Special Race』第2戦も白熱のレースが展開。阪口晴南が優勝を飾る

 8月7日、YoutubeのSUPER GT Official Channelで、スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションと、グランツーリスモSPORTがともに開催したバーチャルレース『SGT × GTS Special Race』Rd.2が公開された。18名のドライバーが参戦したレースは、熾烈な戦いを阪口晴南(K-tunes RC F GT3)が制した。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、全世界的にモータースポーツが開催延期や中止が強いられてきたなか、スーパーGTで実現したオンラインバーチャルレースが『SGT × GTS Special Race』。プレイステーション4用ソフトウェア『グランツーリスモSPORT』を使って争われ、スーパーGTで活躍する現役ドライバーたちが戦ったRd.1に続き、現実の第2戦富士を控えた8月7日に、Rd.2が公開された。

 すでにレースは収録というかたちで終了しているが、この日いよいよそのレースの様子が公開された。Rd.1同様、スーパーGT公式実況を務めるピエール北川アナウンサー、高橋二朗ピットレポーターが中継を担当。また服部尚貴レースディレクターが実際のレース同様に接触をジャッジしている(走路外走行は自動判定)。グランツーリスモSPORT内のGr.3カテゴリーが使用され、GT500とGT300のマシンが競り合うことになった。

 今回も8分間の予選からスタートしたが、やはりトラフィックが激しく、各車ともポジションをうまく調整しながらアタックを展開していく。そのなかで、福住仁嶺(ARTA NSX-GT)、牧野任祐(RAYBRIG NSX-GT)らが1分36秒台をマークしていくが、フィニッシュ周に1分36秒258をマークしたのは、『全国都道府県対抗 eスポーツ選手権 2020 KAGOSHIMA』で神奈川1位、全国3位という記録を出した経験をもつ大湯都史樹(ARTA NSX GT3)。Rd.2のポールポジションを決めた。

 これに続いたのは福住で、ARTAがフロントロウを独占。グランツーリスモSPORTを得意とする宮田莉朋(WedsSport ADVAN GR Supra)が3番手、牧野が4番手に、阪口が5番手につけた。前戦ポールポジションの平川亮(KeePer TOM’S GR Supra)は6番手につけている。

『SGT × GTS Special Race』第2戦のスタートシーン

■決勝レースは若手による白熱の戦いが展開

 続いて行われた決勝レースは、大湯がホールショット。福住が続くが、2周目の1コーナーで3番手につけていた宮田が福住、大湯を一気にオーバーテイク。トップに浮上する。序盤は宮田に大湯、福住とARTA勢が続いた。一方、1周目のTGRコーナーでは後方でアクシデントも発生。関口雄飛(au TOM’S GR Supra)らが遅れたほか、4周目には8番手付近を争っていた菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG)と大津弘樹(Modulo NSX-GT)が接触。菅波はスピン、大津は服部レースディレクターからペナルティが課された。

 序盤は宮田、大湯、福住、阪口、牧野、さらに久保凜太郎(たかのこの湯 RC F GT3)、平川と一団となっての戦いが展開されるが、12周目にトップ争いが白熱。13コーナーで大湯が首位を奪還し、福住も宮田をパス。ただその後、宮田に対してペースの違いを感じた大湯はピットインを行い、無給油でコースに戻った。

 上位陣も19〜20周ごろにはピットインを行うが、早めにピットインした大湯は22周を終え再度ピットイン。2ストップ作戦を敢行する。一方、リーンで走る1ストップ勢では、福住がリード。14周目と早めにピット作業を行い、無給油作戦を採った阪口、さらに牧野が続く展開に。宮田がその背後につけ、大湯がハイペースで追い上げる展開となった。

 福住と阪口は終盤に向けて接近戦となるが、26周目、TGRコーナーで阪口が福住をオーバーテイク。先頭に立つが、後方からは宮田、そして2ストップ作戦の大湯が猛烈な追い上げをみせてくる。大湯は26周目に宮田をかわすと、トップ2台との差を詰めていった。

 しかし、無給油作戦を成功させた阪口は最後までトップを譲らず、福住を従えながらトップチェッカー。福住が2位、そしてファイナルラップのアドバンコーナーで大湯を抜き返した宮田が3位という結果に。大湯が4位、平川が5位、牧野が6位、久保が7位という結果となった。

「トップ6は誰が勝つか分からない状況でしたが、駆け引きと運にも恵まれて勝つことができました。1ピット作戦で、前にクルマがいないとペースが厳しい状態だったので、福住選手についていこうと思っていました」と阪口。

 一方2位となった福住は、「途中、ピットインした時に給油量が足りなくて、阪口選手のスリップが必要だったのでうしろについていましたが、最後は仕掛けるまでには至らず、少し悔しいレースでしたね」と語った。

 Rd.1同様、スーパーGTらしさが随所に出つつ、若手ドライバーの速さが際立った『SGT × GTS Special Race』。すでに“リアル”のシーズンは開幕を迎えたが、さらなるバーチャルレースも楽しみにしたいところだ。

SGT × GTS Special Race Rd.2結果

Pos No Driver Car Grid/Qualify

1 96 阪口晴南 K-tunes RC F GT3 5/1’36.709

2 8 福住仁嶺 ARTA NSX-GT 2/1’36.268

3 19 宮田莉朋 WedsSport ADVAN GR Supra 3/1’36.551

4 55 大湯都史樹 ARTA NSX GT3 1/1’36.258

5 37 平川亮 KeePer TOM’S GR Supra 6/1’36.795

6 100 牧野任祐 RAYBRIG NSX-GT 4/1’36.704

7 244 久保凜太郎 たかのこの湯 RC F GT3 9/1’37.359

8 65 菅波冬悟 LEON PYRAMID AMG 7/1’36.808

9 61 井口卓人 SUBARU BRZ R&D SPORT 16/1’38.603

10 60 吉本大樹 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3 11/1’37.780

11 64 大津弘樹 Modulo NSX-GT 8/1’36.883

12 52 川合孝汰 埼玉トヨペット GB GR Supra GT 10/1’37.445

13 10 石川京侍 TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R 18/1’39.817

14 25 佐藤公哉 HOPPY Porsche 12/1’38.062

15 52 吉田広樹 埼玉トヨペット GB GR Supra GT 14/1’38.526

16 18 小林崇志 UPGARAGE NSX GT3 15/1’38.584

17 5 平木湧也 マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号 13/1’38.401

18 36 関口雄飛 au TOM’S GR Supra 17/1’39.410

福住仁嶺(ARTA NSX-GT)
宮田莉朋(WedsSport ADVAN GR Supra)
大湯都史樹(ARTA NSX GT3)
平川亮(KeePer TOM’S GR Supra)と競り合う久保凜太郎(たかのこの湯 RC F GT3)
牧野任祐(RAYBRIG NSX-GT)
菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG)と大津弘樹(Modulo NSX-GT)の争い
井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)
石川京侍(TANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R)を抑える吉本大樹(SYNTIUM LMcorsa RC F GT3)
川合孝汰(埼玉トヨペット GB GR Supra GT)と平木湧也(マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号)の争い
佐藤公哉(HOPPY Porsche)
小林崇志(UPGARAGE NSX GT3)
関口雄飛(au TOM’S GR Supra)
吉田広樹(埼玉トヨペット GB GR Supra GT)

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