小さくて、でも確かな

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 暑い中、呼び止めてしまって申し訳ありませんでした。北九州市八幡西区の理学療法士、辻守生(もりお)さんは妻桂子さんと娘ばかり4人の6人家族。昨日のお昼すぎ、いつもの「8.9」とは様子の違う静かな爆心地公園でお話を聞いた▲広島か長崎を訪れるのが夏の恒例行事だという。「今年は来てもいいものか迷ったんですが、子どもらが『行く行く行きたいっ』と…」。上は中2、一番下は小1。4姉妹のにぎやかな大合唱が目に浮かぶ▲自宅を出たのは朝の5時。「景色が変わらないのが苦手」な一家は高速を使わず、長崎まで片道5時間のドライブ。平和祈念式典の会場近くで長崎平和宣言に耳を傾け、原爆落下中心地碑に手を合わせた▲「全部は理解できなくっても、写真を1回見るだけでもきっと違うはず」「いつか『戦争はダメだよ』って言ってくれるのはこの子たちの世代」。守生さんと桂子さんが口々に話す▲来県者の少ないウイルス禍の夏。とても小さくて、でも、確かな“平和運動”が被爆地の私たちに勇気をくれる▲ご両親に話を聞いている間に4姉妹-陽希(はるき)さん、心実(このみ)さん、奏子(かなこ)さん、紡生(つむぎ)ちゃんは近くの川でぽちゃぽちゃと水遊びを始めた。川べりに飾られた平和を願う子どもたちの絵画「キッズ・ゲルニカ」が、何だかよく似合っていた。(智)