「若い世代がどう伝えていくか」 大学生が被爆者にインタビュー HPで証言映像公開も 非核協

佐藤さん(右)にインタビューする小川さん=長崎原爆資料館

 日本非核宣言自治体協議会(非核協、会長・田上富久長崎市長)は22日、大学生をインタビュアーに、被爆者の証言映像を長崎市内で収録した。約20分の動画に編集し、7月中旬からホームページ(HP)で公開する予定。被爆者の高齢化、減少が進む中、非核協として初めての試み。
 被爆75年の今年は新型コロナウイルス問題の影響で、6月に予定していた全国の加盟自治体職員と一般市民向け研修会が中止。これを受け、新たな継承の取り組みとして、若者を聞き手とした証言収録とネットでの動画発信を企画した。研修会で被爆体験を話す予定だった同市議会議長、佐藤正洋さん(77)に活水女子大2年の小川由姫さん(19)がインタビュー。小川さんは被爆の実相を次世代継承していくため長崎平和推進協会が募集した青少年ピースボランティアを務める。
 佐藤さんは爆心地から1キロの竹の久保町2丁目(当時)の自宅で被爆。家具の下敷きになりながらも、母親に助けられて生還した体験を語った。若い人へのメッセージとして、「とにかく平和が何より。その原点は核兵器廃絶です」と訴えた。
 収録を終え、佐藤さんは「若い人にこれからの未来を託すしかない。平和への思いは伝わっている」。「家族・交流証言者」として被爆者の証言を語り継ぐ活動もしている小川さんは「被爆75年を迎え、私たち若い世代がどう伝えていくかが重要。これからも活動を続けたい」と語った。

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