宇久島の活性化策は 海外とネットで研究、発表 長崎大と米中の大学生ら

宇久島の活性化案についてのオンライン発表会の画面

 佐世保市の離島、宇久島の人口減少と活性化対策について、長崎大の学生がインターネットを使って研究に取り組んだ内容の発表会が17日、オンライン上であった。移動を伴わずに海外の大学と連携する米国発祥の研究手法で、新型コロナウイルス感染拡大を受け初めて実施した。
 同大環境科学部と米国、中国の大学生ら約10人が共同研究。同島では大規模太陽光発電所(メガソーラー)と風力発電所の建設が計画され、工事で環境や景観への影響が懸念されている。工事と環境保全の両立をテーマに、島民へのインタビューや米グーグルの衛星写真を利用したサービス「グーグルアース」を使って情報収集した。
 ビデオ会議システムによる発表会で、学生らは島内のネット環境整備が必要と指摘。両工事の建設面積と場所を一部見直し、浮いた土地をテレワーク拠点に活用することや豊かな自然を生かしたキャンプ場の運営を提案した。観光客の利便性向上のため、交通網の改善も挙げた。
 会議を視聴した宇久島の高校生らからは「島には土産物を作る人がいない。その解決方法も課題」「オンラインなら島で仕事ができる。実現すれば魅力的」などの意見が出た。

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