クラスター発生した長崎北陽台高 20日から再開 感染防止、心のケア徹底

間仕切りの設置場所を確認する学校関係者=長崎北陽台高

 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した西彼長与町の県立長崎北陽台高は、20日から学校活動を再開する。同校は教員用のフェースシールドとビニールの間仕切りを導入して感染防止策を強化。県教委はスクールカウンセラーを派遣するなどして、生徒や教職員の不安解消と心のケアを図る。
 同校では教諭1人と生徒18人の陽性を確認。7月31日から8月17日まで臨時休校としていた。学校再開に向け、授業中の感染リスクを低減させようと、県教委は同校に教員用のフェースシールド約60枚を導入。マスクと併用することで飛沫(ひまつ)感染を防ぐ考えで、声の通り具合や使い勝手を検証しながら、各学校への導入を検討していく。個別面談用にビニールの間仕切りも新たに準備した。
 20日は、全生徒約840人に向けて臨床心理士が講話をする。不安を抱えた生徒がいないか、担任が生徒へ個別面談を実施する。県教委はスクールカウンセラー3人を派遣して心のケアにあたり、保護者の相談にも応じる。
 同校は休校期間中、学習支援として全生徒に課題プリントを郵送。3年生の娘を持つ母親(47)は「受験生にとっては追い込みの夏だったが、淡々と問題をこなすだけだった。感染予防を心掛けながら、学習面できめ細かなフォローをお願いしたい」と話した。
 再開を控え、生徒と教職員にマスク着用や手指の消毒といった基本的な防止策の徹底を改めて呼び掛けた。西田哲也校長は「気の緩みがなかったのかを振り返り、できる限りの準備と対策を講じて生徒たちを迎え入れたい」と話した。


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