F1パワーユニット“予選モード”禁止はベルギーGP後に延期か

 F1パワーユニット(PU/エンジン)のモードに関する新たな規制が2020年第7戦ベルギーGPから導入されるものとみられていたが、導入が少なくとも1戦延期される可能性が高まってきたようだ。『ロイター』と『RaceFans』が8月20日に伝えた。

 スペインGPに先立ってFIAは、次のベルギーの前に全チームに技術指令書を送り、予選と決勝で使用できるモードをひとつに統一するという意向を示す予定であると通知した。これが実施されれば、予選Q3でパワーを上げる“予選モード”は使えなくなり、逆に決勝中にパワーユニットを労わるモードで走ることもできない。

2020年F1第5戦70周年記念GP 予選ポールのバルテリ・ボッタスと2番手ルイス・ハミルトン(メルセデス)

『ロイター』は、「FIAはこの件についての技術指令書をまだ送付しておらず、情報筋によると(新規定の導入は)モンツァでのイタリアGPになる可能性が高いということだ」と伝えている。

 この新規則を導入する理由のひとつとして、多数のモードがあると、各マニュファクチャラーのパワーユニットがレギュレーションに従っているかどうかを監視するのが非常に困難であると、FIAは説明している。

 FIAが確実な監視を行うことが可能なのかが問題視されているが、FIAレースディレクターのマイケル・マシは、この懸念を打ち消している。

「それについては強い確信を持っている。そうでなければ今回の選択をしなかっただろう」とマシは語った。

「これに関して技術チームは多大なる努力を重ねてきた。さらに、パワーユニットマニュファクチャラー4社の意見も聞かせてもらった」

「(FIAレースディレクターを務めた)故チャーリー・ホワイティングは、よくこう言っていた。『我々の技術チームには10人のメンバーがいるが、各PUマニュファクチャラーには1000人ものスタッフがいる』」

「とはいえ、我々はやれるという確信を持っている。そうでなければこの道を追求しようとは思わなかっただろう」

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