コロナ破たん、東京都が全国の25%占める 「新型コロナウイルス」関連破たん

 8月21日は17時までに、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が2件(倒産2件)発生、2月からの累計は、全国で428件(倒産369件、弁護士一任・準備中59件)に達した。  なお、集計対象外だが、負債1,000万円未満のコロナ関連の小規模倒産は15件判明している。
 月別推移では2月2件、3月22件から4、5月は80件台に急増した。6月は単月最多の103件が発生したが、7月は80件とやや減少。8月は21日までに54件と、同水準のペースで発生している。

 新規感染者数の高止まりが続き、感染拡大の第2波が押し寄せている。サービス業を中心に営業時間の短縮や、外出自粛による消費の落ち込みが深刻化し、業績への影響が懸念されている。また、これに引きずられるかたちでメーカーなど関連業界への影響も波及している。
 緊急融資や金融機関のリスケ対応など各種の支援に依存しながら経営を維持している企業は多い。影響が長引けば長引くほど、事業環境の悪化に耐えきれない脱落型のコロナ関連破たんが増加する可能性が高まっている。

【都道府県別】 ~ 高知県を除く46都道府県で発生、東京都が111件で突出 ~

 都道府県別では高知県を除く46都道府県で発生している。
 このうち、東京都が111件(倒産96件、準備中15件)に達し、全体の4分の1(構成比25.9%)と突出している。以下、大阪府42件(倒産35件、準備中7件)、北海道24件(倒産23件、準備中1件)、愛知県21件(倒産20件、準備中1件)と続き、10件以上の発生は10都道府県。
 21日は、北海道の温泉ホテルが新型コロナで利用者が急減。休業していたが、先行きの見通しが立たず再開を断念した。大分県の電気通信工事業者は、新型コロナで工事が遅れたことなどで資金繰りが行き詰まった。

【業種別】 ~ 飲食業が65件で最多、アパレル関連50件、宿泊業42件で続く ~

 業種別では来店客の減少、休業要請などが影響した飲食業が65件で最多。次いで百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が50件、インバウンド需要消失や旅行・出張の自粛が影響した宿泊業が42件と、3業種が突出している。このほか、飲食業者向けなどの売上減少が影響した飲食料品製造業も23件発生している。

【負債額】

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した369件のなかで負債が判明した367件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満で149件(構成比40.5%)。次に、1千万円以上5千万円未満91件(同24.7%)、5千万円以上1億円未満54件(同14.7%)、10億円以上42件(同11.4%)、5億円以上10億円未満31件(同8.4%)の順。
 負債1億円未満が145件(同39.5%)を占める。一方で、100億円以上の大型倒産も3件発生し、小・零細企業から大企業まで「新型コロナ」関連の経営破たんが広がっている。   

【形態別】

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した369件の形態別では、破産が320件(構成比86.7%)で最多。次いで、民事再生法が30件(同8.1%)、取引停止処分19件(同5.1%)だった。
 「新型コロナ」関連倒産の8割以上を消滅型の破産が占め、再建型の民事再生法は1割未満にとどまる。
 業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージを受け、脱落するケースが大半。先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

※ 企業倒産は、負債1000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。

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