MotoGP第6戦:中上が最高峰クラスで初のフロントロウを獲得。ポールポジションはKTMのエスパルガロ

 MotoGP第6戦スティリアGPの予選がオーストリアのレッドブル・リンクで行われ、ポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)がポールポジションを獲得した。2番グリッドは中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が獲得し、MotoGPクラスで初のフロントロウに並ぶことになった。

 この日、ヨハン・ザルコ(エスポンソラーマ・レーシング)が金曜日午後のメディカルチェックをパスしてフリー走行3回目から走行に参加した。ザルコは前戦オーストリアGPでの転倒により右手舟状骨の骨折を負い、水曜日にイタリアで手術を受けた。木曜日にはレッドブル・リンクに戻っていたが、手術から48時間経過していなかったためにメディカルチェックを受けられず、金曜日は出走できなかった。

 フリー走行3回目は気温26度、路面温度36度のドライコンディションで行われた。開始10分ごろ、この日から走行に加わったザルコがトップタイムをマーク。2番手にポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)、3番手にマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が続く。

 残り時間20分を切って、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が1分23秒617を記録してトップに浮上。さらにファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)が2番手タイムをマークする。

 残り時間8分を切るころになると、予選Q2へのダイレクト進出を目指す激しいアタックが始まった。クアルタラロが1分23秒607をマークしてトップに立つと、ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)がそのタイムを上回る。ミルはその翌周にもタイムを更新し、トップをキープ。

 残り時間4分、セクター1、セクター2で見るのタイムを上回るペースを刻んでいたジャック・ミラー(プラマック・レーシング)が6コーナーで転倒。ミラーは自身で立ち上がったが、セッションをここで終えることになった。

 終盤には、初日総合2番手につけた中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が、トップから0.154秒差の3番手タイムを記録。中上はセッション序盤から上位のポジションにつけ、終盤のアタックでタイムを詰めるとトップ3に食い込んだ。

 最終的に、トップはミルがキープしクアルタラロが2番手。中上が3番手につけ、ドゥカティ勢最上位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)が4番手に続き、ビニャーレスが5番手だった。また、6番手にポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)、7番手にミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMテック3)のKTM勢ふたりがつけた。

 フリー走行4回目は、Moto3クラスの予選Q2のスタートが遅れたため、15分以上遅れて始まった。レースシミュレーションを行うフリー走行4回目では、中上がトップタイムをマーク。ミルが2番手、3番手にエスパルガロ弟で、4番手にリンス、5番手にクアルタラロの順でつけた。

■予選:中上が2番グリッド、フロントロウを獲得

 予選Q1は気温32度、路面温度54度のドライコンディションで始まった。Q1から予選に挑むのは、ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ・チーム)やザルコ、ロッシ、ブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)などの面々だ。

 最初のアタックではペトルッチがトップ、2番手にザルコがつける。そしてセカンドアタックに入った。ここでトップ2が入れ替わる。ビンダーがトップ、そしてロッシが2番手に浮上。さらには終盤、KTMサテライトチームのイケル・レクオーナ(レッドブルKTMテック3)がトップに躍り出ると、そのタイムをザルコが上回った。

 Q2進出はザルコ、レクオーナかと思われた最後のアタック。ロッシは9コーナーで転倒。一方、ペトルッチが2番手タイムをたたき出すと、最終的にザルコ、ペトルッチがQ2進出を果たした。

 続いて行われた予選Q2。最初のアタックでクアルタラロがトップに立つも、その後、中上がそのタイムを上回る。中上トップ、2番手エスパルガロ弟、3番手クアルタラロの順でセカンドアタックに入った。

 迎えたセカンドアタック。まずエスパルガロ弟が中上のトップタイムを更新し、1分23秒580をマークしてトップに浮上する。残り時間1分を切って、ザルコが3番手タイムを記録。そして中上はこのタイミングで、最後のアタックに入った。中上は最後のアタックではトラックリミットをオーバーしたためにラップタイムがキャンセルとなり、タイムの更新こそならなかったものの、2番手をキープ。2番グリッドを獲得し、MotoGPクラスで初のフロントロウに並んだ。

 ポールポジションはエスパルガロ弟。エスパルガロ弟としても、初のポールポジション獲得。さらにKTMとして獲得した、MotoGPクラス初のポールポジションとなった。

 3番手にはザルコが入った。ただ、ザルコは前戦オーストリアGPでのモルビデリとの接触、クラッシュによるペナルティを受けており、明日の決勝レースはピットレーンからのスタートとなる。4番手はミル、5番手にはミラーが続き、ビニャーレスが6番手。クアルタラロは10番手に沈んだ。

2020年MotoGP第6戦スティリアGP 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)
2020年MotoGP第6戦スティリアGP バレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)
2020年MotoGP第6戦スティリアGP ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)
2020年MotoGP第6戦スティリアGP ポル・エスパルガロ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)

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