原爆写真展後援拒否 佐世保市長、署名「好ましくない」

 佐世保市の市民団体が8月に市内で開いた原爆写真展の後援申請を市と市教委が断ったことについて、朝長則男市長は31日の定例会見で、写真展と併せて実施した署名活動の政治的中立性を問題視し、「好ましくない」と理由を述べた。
 写真展は原水爆禁止佐世保協議会などでつくる団体が企画し、8月8日に同市の島瀬公園で開催。併せて核兵器禁止条約の制定をすべての国に求める「ヒバクシャ国際署名」を集めた。
 団体は事前に市側に後援を申請したが、「核廃絶には多様な意見があり、賛同者を募る署名活動は後援できない」として断られた。
 会見で市教委はイベントの後援要領に基づき判断したと説明。朝長市長は「原爆の問題だけでなく、(賛否が分かれる)ほかの署名活動も認められない」と強調。米軍基地を抱える自治体としての配慮かと問われ「関係ない。別次元の問題だ」と述べた。

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