長崎県 IR事業者の公募、当面見合わせ 国の方針見通せず

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致を巡り、長崎県は31日、IR事業者の公募を当面見合わせると発表した。夏ごろまでに始める予定だったが、新型コロナウイルスなどの影響で国の基本方針策定が見通せず、出入国が制限されている事業者からも延期を求める声が出ているのが要因。
 国は1月に基本方針を公表する予定だったが、汚職事件や新型コロナで遅延。自治体から区域整備計画の申請を受け付ける期間(来年1~7月)を延期する案も浮上している。
 県は、佐世保市のハウステンボスに整備するIRの概要などをまとめた実施方針案を4月に公表。施設の整備・運営を担う事業者の公募を当初「春から夏ごろ」に始めるとしていた。
 7月中に事業者の公募を開始する予定だったが、国の方針を見極めるため見送った。8月28日に中村法道知事と朝長則男市長が県庁で対応を協議し、公募開始を見合わせることで一致。県は「国の動向や事業者の意見を総合的に勘案し、適切な公募時期を検討する」としている。
 朝長市長は31日の定例会見で「首相退陣で状況は混沌(こんとん)としている。状況が整えばできるだけ早く始めたい」と述べた。
 本県のIR誘致に対しては、国内外の3事業者がコンセプトを提案。いずれも公募に参加する意向を示している。

 


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