「新型コロナウイルス」関連破たん状況【9月1日13:00 現在】

 9月1日は13時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が5件(倒産2件、弁護士一任・準備中3件)発生、2月からの累計は、全国で446件(倒産390件、弁護士一任・準備中56件)に達した。
 また同日、これまで全国で唯一発生していなかった高知県でも発生したことで、コロナ関連破たんは全都道府県に広がった。
 月別推移では2月2件、3月22件から4、5月は80件台に急増。6月は単月最多の103件が発生したが、7月は80件、8月は67件と前月を下回って推移した。
 このほか、集計対象外だが、負債1,000万円未満のコロナ関連の小規模倒産は累計18件。

 緊急融資や金融機関・取引先のリスケ対応などの各種支援が効果を見せ、コロナ関連破たんの大幅な増加という事態は避けられている。ただ、支援に依存しながら経営を維持している企業は多く、悪影響が長引けば長引くほど、体力の乏しい企業の脱落は避けられない。引き続き、コロナ関連破たんの動向は予断を許さない状況が続いている。

【都道府県別】 ~ 47都道府県目となる高知県で発生 ~

 コロナ関連破たんは2月21日に第1号(愛知県)が発生して以降、194日目で全都道府県に広がった。
 このうち、東京都が114件(倒産104件、準備中10件)に達し、全体の4分の1(構成比25.5%)と突出。以下、大阪府42件(倒産35件、準備中7件)、北海道25件(倒産25件)、愛知県21件(倒産20件、準備中1件)と続き、10件以上の発生は11都道府県。
 高知県では地場の土木工事業者が破たんした。新型コロナの影響で資材の仕入が滞ったことや、工事の中止・延期が生じたことで業績悪化に歯止めがかからず、事業継続を断念した。

【業種別】 ~ 飲食業が65件で最多、アパレル関連51件、宿泊業44件で続く ~

 業種別では来店客の減少、休業要請などが影響した飲食業が65件で最多。次いで百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が51件、インバウンド需要消失や旅行・出張の自粛が影響した宿泊業が44件と、3業種が突出。このほか、飲食業者向けなどの売上減少が影響した飲食料品卸売業も24件発生している。

【負債額】

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した390件のなかで負債が判明した389件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満で156件(構成比40.1%)。次に、1千万円以上5千万円未満99件(同25.4%)、5千万円以上1億円未満58件(同14.9%)、10億円以上43件(同11.0%)、5億円以上10億円未満33件(同8.4%)の順。
 負債1億円未満が157件(同40.3%)を占める。一方、100億円以上の大型倒産も3件発生し、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。  

【形態別】

 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した390件の形態別では、破産が341件(構成比87.4%)で最多。次いで、民事再生法が30件(同7.6%)、取引停止処分19件(同4.8%)だった。
 「新型コロナ」関連倒産の8割以上を消滅型の破産が占め、再建型の民事再生法は1割未満にとどまる。
 業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものなどを集計している。
※ 東京商工リサーチの取材で、経営破たんが判明した日を基準に集計、分析した。

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