訪問客へ還元重視 宿泊税導入で素案 長崎市、有識者検討委

 長崎市は8月31日、宿泊税の導入を検討する有識者委員会(委員長・西村宣彦長崎大経済学部教授、6人)の最終会合を市役所で開いた。税の使途は「訪問客への還元」の視点を重視し、サービス向上のために活用する方針を盛り込んだ報告書の素案を提示した。
 9月中に正式な報告書をまとめ、委員会が田上富久市長に提出する予定。市は宿泊事業者との意見交換を進め、課税要件の詳細や2022年度以降に見込まれる税の導入時期を決める。
 宿泊税は、観光振興財源を安定的に確保するのが狙い。市は修学旅行生などを除き1人1泊当たり一律200円とし、年間5億円の税収を見込む。観光客の受け入れ環境整備や需要喚起のために活用し、新型コロナウイルス禍のような不測の事態に対応するための基金にも積み立てる方針だ。
 有識者委員会は昨年10月に設置した。この日、委員の一人は、宿泊者向けに税導入の説明機会を設けるよう市に要望。「長崎が変わり、宿泊者にとってもプラスになるとPRできる」と語った。

 


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