2005年・千葉 陸上女子やり投げ松本(口加)県勢唯一V 登山男子で北陽台2位 【連載】夏跡 県勢のインハイ20年・6

陸上女子やり投げで50メートル51をマークして優勝した松本(口加)=千葉市、千葉県総合スポーツセンター陸上競技場

 千葉インターハイは陸上女子やり投げの松本百子(口加)が県勢で唯一、金メダルを獲得した。前年の埼玉国体で日本高校記録の54メートル34をマークした実力者。3年生となったこの年、日本選手権で3位、日本ジュニア選手権で優勝と好調を維持し、V候補筆頭に挙げられていた。
 本番は重圧をはねのけて予選を1位通過すると、決勝1投目で50メートル51を記録して優勝を決めた。秋の岡山国体は自己記録更新だけに照準を合わせ、日本ジュニア新記録となる54メートル53でV2を達成。これは今も県高校記録として残っている。
 陸上勢はこのほか、女子七種競技の山添一慧(長崎女)が銅メダルを獲得。ここで出した4933点の県高校記録も、いまだに破られていない。レスリングの島原勢も個人で健闘。96キロ級の馬場祐太朗が2位、84キロ級の本田博士が3位に入った。柔道男子81キロ級の脇内豊年(西海学園)も3位入賞した。
 一方、長崎インターハイ(長崎ゆめ総体)から2年がたち、団体競技の成績は落ち込んだ。最高は登山男子の長崎北陽台の2位。8強入りしたのも、元全日本選手の笹田健一監督の指導を受け、わずか1年4カ月で急成長したフェンシング女子の諫早商だけだった。
 登山の長崎北陽台は、男子が長崎ゆめ総体、女子が前年の中国インターハイで日本一に輝いていた。この夏、12位に終わった女子は閉会式の間中、男子チームの後列に座って泣いていた。男子4人は振り向いて「みんなで取ったメダルやけん」と銀メダルを女子の首にかけた。集合写真には男女そろって笑顔で納まった。

男女で出場した登山の長崎北陽台。2位の男子(後列)と12位の女子=千葉県君津市民文化ホール

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