2006年・近畿 個人2種目で日本一 2年連続団体優勝ゼロ 【連載】夏跡 県勢のインハイ20年・7

剣道女子個人決勝で面を狙う原口(西陵)=京都市、京都府立体育館

 メダル獲得数は14個(金2、銀3、銅9)。昨年の6個(金1、銀2、銅3)こそ上回ったが、団体優勝は2年連続でゼロに終わった。低調な流れを変えるまではいかなかった一方で、今後の活躍が期待されるチームや競技の台頭もあった。
 個人は剣道女子の原口理恵子(西陵)とアーチェリー男子の松尾政博(大村工)が、それぞれ県勢初の頂点に立った。
 原口は決勝でPL学園(大阪)の選手と対戦。1本ずつを取り合った後、磨いてきた面で優勝を決めた。試合時間1分29秒の鮮やかな勝利だった。松尾は予選を3位で通過。決勝トーナメントは僅差の展開も制しながら勝ち進み、決勝は105-91で快勝した。
 陸上男子800メートルの松田高広(佐世保西)、ボクシングライトフライ級の末永龍太(有馬商)は銀メダルを獲得。末永は翌年3月に閉校する有馬商の代表として大舞台に臨み、学校の歴史に栄光の一ページを刻んだ。柔道女子団体に初出場した長崎明誠のエース近藤薫は、1年生ながら57キロ級で3位入賞した。
 団体はヨット女子の長崎工が初のメダルとなる2位と健闘した。三嶋由之監督が指導する長崎ジュニアクラブのメンバーで、国際大会出場経験がある3年生の大曲昭子、今泉ゆうき、1年生の松下結らがけん引。全員で心を一つに躍動した。
 ソフトボール男子の大村工は、この年に春夏連続で全国舞台へ初登場。2年生エース谷脇靖雄を柱に、両大会で3位入賞を果たした。登山の長崎北陽台は男女そろって銅メダルを獲得した。

ヨット女子デュエットで銀メダルを獲得した長崎工。ソロで4位に入ったA艇の松下・北村組=和歌山県和歌山マリーナ沖

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