長崎県庁跡地 「花十字紋瓦」の破片再び出土 石垣遺構も確認 県教委 12日に現地説明会

県庁跡地で新たに出土した花十字紋瓦の破片(県教委提供)

 江戸時代以降の遺跡が出土している長崎市江戸町の県庁跡地の埋蔵文化財調査で、県教委は3日、当時のキリシタン建築に使われた「花十字紋瓦」の破片1点など、計7点が新たに出土したと発表した。出土したのは敷地南東の区域で、高さ6~7メートル、幅約60メートルの石垣遺構も確認した。
 同跡地は江戸期の禁教令前、国内キリスト教の重要施設「岬の教会」があり、その後、江戸幕府の長崎奉行所などが置かれた。
 花十字紋瓦は円形の中心に十字の意匠が施された瓦。破片は幅8センチ程度の扇形で、連珠で囲まれた花十字の文様の一部が確認できる。17世紀初頭の品とみられるが、周辺で使用されていたかなど詳細は不明。昨年の調査でも、敷地北側で花十字紋瓦の破片2点が出土していた。
 県教委は8月までに、戦後の敷地拡張に伴い埋め立てられていた石垣遺構の全体を掘り出す作業を実施。花十字紋瓦の破片も、この過程で見つかった。ほかに、江戸期後半の陶磁器の破片など6点も出土した。
 県教委学芸文化課は12日午前10時半~午後2時半に現地説明会を開き、石垣や出土品を公開する。雨天決行。問い合わせは同課(電095.894.3384)。

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