世界屈指のサッカークラブとして知られるマンチェスター・ユナイテッド。収入やブランド価値でも有数の存在であり、その資金力は強烈だ。
しかし、そんなクラブでも選手を取り逃してしまうことも。『Planet Football』から、「エド・ウッドワードCEOの下でマンチェスター・ユナイテッドが獲得しそこねた11名のすごい選手たち」を紹介する。
セスク・ファブレガス
2013年の夏、デイヴィッド・モイーズ監督はトップレベルのMFを獲得するために必死だった。エド・ウッドワードCEOもオーストラリアのツアーを離れて「緊急補強事業」に邁進したが、結局成功せず。
セスクは結局1年バルセロナに残り、その後チェルシーへと移籍している。モイーズ氏は「何度かセスクと電話で話したが、バルセロナでの立場を見失っていた。『もし出場できないのならユナイテッドに行きたい』と言ってくれていたが、バルセロナで最初の試合がスタメンだった」と後に話している。
ティアゴ・アルカンタラ
ユナイテッドは2013年の夏、バルセロナからティアゴ・アルカンタラを獲得する準備ができていたものの、彼はバイエルンへの移籍を決断した。
セスクや彼を獲得することに失敗したユナイテッドは移籍期間最終日にマルアヌ・フェライニをとんでもない額で獲得している。それなりに成功は収めたが…。
トーニ・クロース
同じく2013年の夏に接近していたのがトーニ・クロースだった。彼自身がユナイテッドからのオファーを受けたことを後に明かしている。
「マンチェスター・ユナイテッドが僕を望んでいたことはそれ以前から知っていた。モイーズ監督はそれを強調していた。最終的に我々は口頭で同意したが、そうはならなかった」とのこと。
ギャレス・ベイル
サウサンプトンで大ブレイクを果たしていたギャレス・ベイル。若き天才の彼をマンチェスター・ユナイテッドは獲得しようとしたが、トッテナムに敗れた。
そしてその6年後、エド・ウッドワードCEOはそれに再挑戦するも…1億ポンド(およそ141.5億円)のオファーを送ったものの、ベイル側がレアル・マドリーを希望し、8600万ポンド(およそ121.7億円)でスペインへ移籍していった。
マッツ・フメルス
ドイツ代表がワールドカップに優勝した後、マンチェスター・ユナイテッドはその最終ラインの中心選手だったフンメルスに接触。プレミアリーグへの移籍を勧めた。
ただフンメルスはドルトムントであと2年を過ごすことに決め、マンチェスター・ユナイテッドはDFの補強としてマルコス・ロホを獲得している。
サディオ・マネ
現在リヴァプールの3トップに欠かせない存在となっているセネガル代表のサディオ・マネ。ルイス・ファン・ハール監督はマンチェスター・ユナイテッドの前線のスピードが足りないと感じ、サウサンプトンに所属していた彼を獲得しようとした。しかし2回のオファーが断られたという。
「ファン・ハールと話したしオファーも来た。しかし僕にとっては適切なクラブでもなく、適切なタイミングでもなかった」と2018年にマネ自身が話している。
セルヒオ・ラモス
レアル・マドリーで長くプレーしている主将セルヒオ・ラモス。しかし2015年の夏にはクラブとの間で契約を巡っての紛争があり、退団の可能性が示唆された。
マンチェスター・ユナイテッドは2850万ポンド(およそ40.3億円)でのオファーを送ったものの、結局それは受け入れられなかった。セルヒオ・ラモス自身が2016年にその事実を認めている。
トーマス・ミュラー
ファン・ハール監督はバイエルン・ミュンヘンの指揮官時代からミュラーを高く評価していた。2015年の夏には本格的に獲得を狙ったものの、1億ユーロ(およそ126.4億円)以上の入札が拒否されたとのこと。後にミュラー自身がこう語っている。
「ファン・ハールが登場したとき、事態は深刻だった。ユナイテッドに行くことも想像できたが、クラブは『君に残ってほしい』と言ってくれた。契約も残っていたので、それは明確なことだった」
アントワーヌ・グリーズマン
ジョゼ・モウリーニョ監督は2017年の夏にグリーズマンの補強の最優先ターゲットにし、契約解除条項に合致する1億ユーロ(およそ126.4億円)のオファーを送った。
しかし、アトレティコがこの夏補強禁止処分を受けてしまったことからグリーズマンは残留に傾き、新しい契約にサイン。ユナイテッドは状況を利用できなかった。
パウロ・ディバラ
いくつかの報道によれば、マンチェスター・ユナイテッドは2019年の夏にロメル・ルカクを譲渡することでパウロ・ディバラを獲得しようとしていた。それも合意に近づいていたというが、最後はディバラの代理人から『選手がユヴェントスに留まりたがっている』と連絡があり、会談がキャンセルされた。
「簡単な夏ではなかったよ。行きたくないチームの名前と自分がリンクされているのを聞くのはいいことじゃないね」と後にディバラは『Corriere della Sera』に語っている。
アーリン・ホーラン
2019-20シーズンの前半戦でレッドブル・ザルツブルクのエースとして活躍。ヨーロッパで最も人気がある若手となった。同じノルウェー出身のスールシャール監督とは元所属クラブのモルデを通して繋がりがあり、ユナイテッド移籍は近いという報道もあった。
しかしエージェントのミーノ・ライオラによる要求を突っぱねたユナイテッドは取引から撤退、最終的にホーランはドルトムントへと移籍することになった。