ナ・リーグのサイ・ヤング賞は誰? MLB公式が4人の候補を紹介

メジャーリーグの公式Twitterアカウントは日本時間9月8日、「あなたはナ・リーグのサイ・ヤング賞に誰を選びますか?」というツイートに4枚の画像を添付し、4人の候補を紹介した。候補に挙げられたのはジェイコブ・デグロム(メッツ)、マックス・フリード(ブレーブス)、ダルビッシュ有(カブス)、ザック・ギャレン(ダイヤモンドバックス)の4人。このツイートにはユーザーから様々な意見が寄せられている。

このツイートでは4人の候補の成績(防御率、奪三振、奪三振率、被打率)が紹介されており、その成績は以下の通り。

デグロム:防御率1.69、奪三振70、奪三振率13.13、被打率.177
フリード:防御率1.98、奪三振47、奪三振率8.46、被打率.206
ダルビッシュ:防御率1.44、奪三振63、奪三振率11.34、被打率.200
ギャレン:防御率1.80、奪三振54、奪三振率9.72、被打率.182

なお、このうちギャレンは日本時間9月8日のジャイアンツ戦に登板して6回途中4失点で今季初黒星。「デビューから23先発連続自責点3以下」のメジャー記録がついにストップし、各部門の成績は防御率2.29、奪三振60、奪三振率9.82、被打率.190となった。

投手成績の主要部門を見ると、防御率はダルビッシュが1位、デグロムが2位、フリードが3位、ギャレンが7位。奪三振はデグロムが1位、ダルビッシュが5位、ギャレンが8位タイ、フリードが15位。最多勝争いでは、7勝(1敗)のダルビッシュが1位、6勝(0敗)のフリードが2位タイ、3勝(1敗)のデグロムが13位タイ、1勝(1敗)のギャレンが80位タイとなっている。

データサイト「Baseball-Reference」が算出する総合指標WARでは、ギャレンが2.8で1位、フリードが2.7で2位、ダルビッシュが2.5で3位、デグロムが1.8で6位にランクイン。一方、データサイト「FanGraphs」が算出するWARでは、ダルビッシュが2.1で1位、デグロムが2.0で2位、フリードが1.8で3位、ギャレンが1.2で16位となっている(WARはともに日本時間9月8日の試合が行われる前の時点のもの)。

ユーザーの意見では、ダルビッシュまたはデグロムを支持する声が多い。防御率ではダルビッシュ、奪三振ではデグロムに分があり、勝利数ではダルビッシュがデグロムを大きくリードしているため、ダルビッシュを支持する声が目立つのは事実。しかし、デグロムはリリーフ陣に勝利を消されたケースが3度、無失点ながら打線も無得点だったケースが1度あるため、両者のパフォーマンスにはほとんど差がないと指摘する声もある。

また、この4人以外の候補としてトレバー・バウアー(レッズ)やクレイトン・カーショウ(ドジャース)の名前を挙げる声もある。バウアーはリーグ4位の防御率2.05、同7位の61奪三振をマークし、カーショウは故障で出遅れたため規定投球回に届いていないものの、5勝1敗、防御率1.50の好成績を残している。バウアーは「質」、カーショウは「量」の面でダルビッシュやデグロムに劣るため、受賞するのは難しいと思われるが、記者投票の用紙に名前が記される可能性は十分にあるだろう。

今季ここまでのパフォーマンスから判断する限りでは、ダルビッシュとデグロムの一騎打ちという状況。ただし、10~12試合ほどしか登板機会がない短縮シーズンでは1回の「炎上」が命取りとなるため、ダルビッシュとデグロムの今後のピッチング次第では他の投手にもチャンスはある。とはいえ、ダルビッシュが日本人投手初の快挙に向けて好位置につけていることは間違いない。そして、快挙達成への最大のライバルは史上3人目の3年連続受賞を目指すデグロムということになりそうだ(グレッグ・マダックスとランディ・ジョンソンが4年連続受賞)。

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