長崎→小田原、帰郷費貯まった! 路面電車保存会がCF目標額達成

【写真左】小田原市内を走る202号=1956年4月【写真右】長崎市内で活躍するかつての202号=2019年3月(小田原ゆかりの路面電車保存会提供)

 かつて小田原市内を走った路面電車の車両を“帰郷”させるプロジェクトに取り組んでいる「小田原ゆかりの路面電車保存会」は9日までに、車両の輸送費の工面のため実施したクラウドファンディング(CF)が目標額に到達したと発表した。同会は保存の維持費用などに積み立てるため、期限の25日まで引き続き協力を呼び掛けている。

 同会によると、目標額の500万円には8月21日の開始から15日目の9月4日に到達した。長崎からの輸送後も、良好な状態で保存を続けるには今後10年間で数百万円の維持費が必要になると予想されることから、同会はCFを継続して資金集めをすることにした。目標達成に同会の小室刀時朗会長は「コロナ禍の中、これほど支援をもらえるとは。感動するほどうれしい」と感謝している。

 車両は1952年から56年まで小田原の城下町を走っていた「小田原市内線モハ202号」。同線の廃止後、長崎市の長崎電気軌道に譲渡され、2019年まで活躍していた。

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