感染症研究機関誘致へ 長崎市長検討 来年閉校の江平中に

 長崎市の田上富久市長は10日、市立小中学校の再編に伴い来年3月に閉校する江平中(江平3丁目)の跡地活用を巡り、感染症研究機関の誘致を検討する考えを示した。一般質問で深堀義昭議員(自民創生)の提案に対し、答えた。
 同校に近い坂本1丁目の長崎大坂本キャンパスには、同大熱帯医学研究所がある。敷地内では感染症研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)4」が来年度に完成予定。さらにBSL4と連動する研究棟の建設も計画されている。
 深堀議員は、坂本キャンパスで感染症研究の拠点化が進めば、新型コロナウイルスを含め創薬や研究を支援する企業、公的機関の誘致が期待できるとして国にも働き掛けるよう求めた。
 田上市長は「トップレベルの感染症研究、人材育成の拠点整備は長崎、日本、世界に貢献する可能性がある」と指摘。「新たな産業の創出に一層取り組み、研究機関などの誘致についても、江平中の跡地活用の可能性を含め、大学と意見交換しながら検討したい」と述べた。

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